2005年7月1日お山開き 〜富士宮口登山〜(18回目の富士登山) |
今回の富士登山のテーマは3つあります。 @富士山のお山開きをみること A皆で登る前の下見 B各合目での登山方法のテスト メインは何と言っても「お山開き」でしょう。何をやるか良く分からないけれど、7月1日という日に登ったのはこの為だから、実はかなり期待していました。 しかし、何もなかった・・・。 HPなどを見ると、浅間神社本宮では色々なことをやっているようですが、富士宮登山道では一切何もなかった。こんなんで良いと思っとるんかねー。 |
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いつもとあまり変わらない新五合目の風景です。 富士山の雪ももうすっかりなく、スコリアで覆われた黒い富士山です。 このスコリアはパチンコ玉大の多気孔性の石なのですが、雨・風・雪の影響で少しずつ崩れています。 いわゆる侵食されています。 富士山は常に侵食されて崩れていますので、表面は常に動いている状態となっています。 動いている土壌には通常の植物は生育できません。だから、富士山の5合目より上には植物があまり生えていないのです。 そのような厳しい環境の中青々と茂っているのが写真右の「オンタデ」です。 この「オンタデ」もさすがに通常の斜面には生えておらず、石などの「足掛かり」を拠点として茂っています。 良いかどうかは別として、この「オンタデ」を引き抜こうとしましたが、根があまりにも深くまで張っている為びくともしません。 この辺りの登り方はと言えば、逸る気持ちを抑えていかにゆっくり登るかがポイントです。 これから1,000m以上登るんだから、そんなに焦っちゃいかんよ。 息が切れないくらい、また平地を歩くと同じ力で登りましょう。 |
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新六合目を越えるとやっと富士山らしい登りが始まります。岩が出始めるものの、この辺は傾斜も緩やかだし、ともするとオーバーペースになりかねません。努めてゆっくり登りましょう。 写真右は新七合目の小屋でしょう。宝永山がすぐ横に見えますが、この辺りの景色は素晴らしいと思いますよ。昨年K林さんと登った時は宝永山からご来光が登ってきました。来てよかったと思う一瞬です。 |
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本七合目の小屋かな。小屋の看板も出ていないくらいですから未営業です。 でも、今日は「お山開き」でしょ。浅間神社の神事の一つだと思いますので、曜日に関係なく「お山開き」の神事は行われているはずです。 この神事が曜日に関係なく縁日に開催されるのは何でなんでしょう? 「催し物をやるんだったら土日や祝日にやってくれよな」と俺たちも思っていたよ。 その答えは、今でこそ人権が重視されて人が中心になっているけど太平洋戦争に負けるまでは、人でなく神様が中心だったから、人間の都合でなく神様の都合でこういった神事が執り行われるのが常識だったのです。 その神様が中心の伝統が今でも守られているのが、お祭りであるとか、盆踊りであるとか、花火大会であるとか送り火でしょう。 この人間以外の神聖な何かを敬う心は人類にとって大切な事だと最近俺たちは思っています。 しかし、この領域になるまでは大変です。 何たって俺たちが受けた教育は、戦後民主主義の最たる状況だったので、戦前からの事物、行事についてともすると否定的に教えられる事がなきにしもあらずの感がありましたので。 結論として俺たちは次のように主張します、「神事は神様中心、仏事は仏様中心、人事は人中心」でやっていくべきですと。 写真右は富士山の女神「木花開耶姫命」(このはなのさくやひめのみこと)が頂上から降りてきましたので、ついつい撮影させて戴きました。 この辺りはまだ岩場ではないのですが、傾斜が急になってきます。 俺たちは「松田聖子」の「青い珊瑚礁」「卒業」等や「アタックNO1」を大声で歌いながら登ります。 ちょっと苦しいけど、歌って登る余裕がこの場面では重要です。 |
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ここら辺りから傾斜は急になるし、岩もでてきます。3,000mも近づき、空気も薄くなっています。(気圧が低い)疲れも溜まっています。更に風が強くなってきますし気温も低くなります。 一歩一歩登るのがつらくなってきます。 右の写真の小屋が八合目の小屋ですが、なかなか急な登りでしょ。 ここまでくると、歌を歌う気力も体力もないですね。 しかし気をつけなければならないのは、ここの登りで体力を使い果たしちゃダメということです。 八合目の小屋は一つのポイントですが、もう一押し先にはポイントがありますから。 ここは、休まずゆっくり登りましょう。俺たちが推奨する「地下鉄の階段の歩幅で一歩一呼吸のイメージ」でかつ吸うよりはく事を主眼に呼吸をしましょう。 |
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この岩場の上部が八合目の小屋です。初めての方は慎重に行動して下さい。でも、ここまでくると20分も歩けば着いちゃいます。ここから重要なのが、「休まずに歩く」ということです。 決して急ぐことなく、ゆっくり歩いて下さい。 ここまでくると一歩、歩くのも辛いのですが一杯呼吸すれば疲労は溜まりません。 さらに、疲れる前に行動食を摂りましょう。 特に精神的にも疲れるこのあたりでは、「ウイダーインゼリー」を飲むと元気がでます。 七合目から八合目の登りは、来るべき勝負の九合目への登りで精神的及び体力的に余力が残るように登って下さい。 写真右は、富士宮口が誇る「診療所」です。登山中の怪我及び高山病などになった時に無料で診てくれる施設です。 |
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八合目小屋の外れにある建物ですが(東側)、ここの裏側から御殿場口登山道に抜けるトラバースルートがあります。富士宮口は登りと下りが同じ道なので、混雑しますから、特に八合目から上はそうなので、ここからルートを変えて登るのも手です。 写真右の鳥居は八合目小屋のすぐ上にあるものです。この鳥居は実は深い意味があり、富士山の八合目より上はなんと浅間神社が所有する土地なのです。ですから、この鳥居からは神社の境内ですので神妙に登りましょう。 最も疲れていて騒ぐ奴は滅多にいませんがね。 富士宮口の八合目から頂上までは約90分と言われていますが、これはあくまで目安で、ここからの登りは個人差が大きく出ます。 俺たちの言うことをちゃんと守っている人であれば、難なく90分で登れますが、そうでない人は2時間以上かかっても登れないかもしれません。 深く吐き深く吸う、意図的な呼吸をしながら一歩一呼吸で登りましょう。 水も歩きながら摂りましょうね。意図的な深い呼吸は喉が渇きます。 ここからの写真がないのには訳があるのです。 鳥居を過ぎた辺りから強烈な風+雨がきたのです。 とにかくものすごい。昨年の台風の時の登山と同等だったね。 今回はまだ季節が早いので、ただの雨でなくみぞれ混じりの雨だったので、かなり辛いものがありました。 たちまちの内に靴はびっしょり濡れてしまい、靴の中もグチョグチョです。手も冷たい雨と風で凍えてしまいました。冷たい雨と風には軍手はほとんど役に立たないかもね。でも軍手がなかったら即下山せざるを得なかったでしょう。登山道から外れた谷を見ますとまだ雪がたっぷり残っています。登山者は俺たち一人しかいません。 風に向かって歩くと、そのみぞれ混じりの大粒の雨で顔が痛いので横を向いて歩くという不自然な歩き方を強いられ、且つその寒さ冷たさで体力も奪われ、さすがに撤退しようかと思っていると、九合目の小屋を過ぎたあたりで風が随分おさまったのです。 登山道の西側に壁があり風が防がれている状態になっていたので、結果、風雨が収まっているのです。 お陰さまで頂上には行く事ができましたよ。 |
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頂上はご覧のようにガスっていました。写真では表現できていませんが、頂上は強烈な風雨に見舞われているのですよ。ただ、建物の影に隠れれば風雨を凌げます。 右の写真は、浅間神社奥の院から撮影したものですが、手前の石で覆われた建物が郵便局、向うが頂上小屋でその間から、真の富士山頂上である剣が峰が普通は見えるのですが、今回はその風雨で見えないのは当然で、すさまじい風の通り道になっていました。本当!すごかったよ。 尚、富士山郵便局は7月10日〜8月20日まで営業しているとの表示がありました。 この富士山郵便局の名物として、檜メールがありますので、皆さん富士登山の際は是非このメールを出してみよう。(配達までに約1週間かかります) 頂上では、この嵐の中、御殿場口から登ってきたという豪傑が一人いたきりです。 寒い中、一応会社にTELし登頂成功の報告をし下山しましたとさ。(富士山では小屋の近くは携帯が使えます) さて、来週は嘗てから登っているDragonさんと2年間登頂を目指すも実現できていないI井さんとの富士登山です。須走口からゆっくり登りましょう。 |