艦橋(前部艦橋)

 これは艦橋の基部と2番主砲塔の基部。
 甲板と同様に0.5mmプラ板を貼り付けて木甲板を再現。

 主砲の基部は直径48mmの塩ビパイプを日曜大工センターで購入して使用。

 艦橋の基部には舷灯になるLEDを設置しています。
 電球ではないので私が死ぬまで球切れなんてことはないと思いますが、万が一のトラブルに備えてLEDを直径3mmのポリキャップで固定することで取り外せる構造にしています。

 司令塔とその後ろに続く下部艦橋の外形です。
 司令塔は上から見ると楕円に近い長方形という非常に作り辛い形をしているためパテ盛りで作りました。結構な重量です。

 その後ろの下部艦橋は最初に天井を作ってから壁を貼り合わせるように作っています。
 天井の四角い穴は階段を降ろすための穴、その後ろの丸い穴は支柱を通すためのものです。

 当時の日本戦艦の艦橋は建造時は単なるマストだったところに、改造するたびに高度化する様々な設備を追加していったため、最後にはクリスマスツリーと呼ばれるようになったものですが、こうやって作ってみるとその名残が偲ばれます。

 艦橋構造物、まだ途中ですが最上段(上部見張所)の大体の形まで完成しました。全部で10層になります。
 それにしても本当に複雑な形状です。一段、一段、形が全て違いますし、それぞれがすんなり作れるような形じゃありません。
 特に戦闘艦橋(8段目)なんて、まるでお花が咲いたような形状で、どうやって作ろうか悩んでしまいました。

 最上段のバカみたいに広い見張所は榛名のシンボル。
 このフロアが載るとやっと「あぁ、榛名だなー」といった感じです。

 艦橋基部から司令塔のフロアまでの大枠が完成。
 木甲板の木目が綺麗に作れました。

 基部の後ろ側にある扉が半開きになっていますが、こちらのドアも開閉が可能な作りになっています。このドアを入って階段を上がると司令塔フロア最後部に出ます。
 そしてドアを開けると大きなアーチ型開口部へ出て、更にドアを開けると司令塔(正確には司令塔の後ろの部屋)へ出れる作りになっています。

 こちらは5Fの羅針艦橋。
 ここから上のフロアは最終的に固定してしまうので、以降は写真でしか中の全貌を確認することはできず、透明アクリル板でできた窓越しに覗くことしかできなくなります。

 羅針艦橋の床はリノニウム張りだったようです。
 艦橋は全面が壁または窓で覆われていたのではなく、前方に窓があるだけで基本的に開放式だったことがわかります。
 その点は完全に密閉されていた大和型等との違いですね。

 羅針艦橋の上は下部見張所になりますが、こちらの後方の部屋は何のための部屋かはわかりません。(知っている方がいたら教えてほしい)

 この用途不明の部屋の窓を例にスカッツル(丸窓)の作成方法を左に示しました。
 全てのスカッツルは透明アクリル板をはめ込んでいますが、瞬間接着剤などで固定すると接着液が気化する時にアクリル板が曇ってしまいます。
 そこで、左の様な手法でスカッツルを作成しています。この方法だと部屋の内部も綺麗に仕上がるのでドールハウスにするにはウッテツケ。
 ・・・けど、かなり手間がかかります。

 7Fと8Fは戦闘艦橋です。

 左の写真は製作中の7F部分。左右に突き出ているアンテナは強度を上げるために前側の支柱はピアノ線を使用しています。(後ろ側の支柱は真鍮)
 前方にある網目状の物は0.3mmプラ板で作成した遮風装置。一見すると脆そうに見えますが瞬間接着剤でガッチリ固めているので意外と丈夫です。

 左の写真は7F部分までを積み上げた艦橋構造物の状態です。
 この7F部分の製作は思ったより手間取りました。
 左右に出っ張ったアンテナ、遮風装置、後ろ側小部屋のドア、スカッツル、その小部屋の左右にあるX字型の支柱、後部の手摺り、・・・と、各種技能のオンパレードでした。

 右は10Fの上部見張所の様子です。
 2号1型レーダーの基部にあたる部分(下の写真)に9Fからの階段があります。
 10Fへのルートはもう一つ、露天式のラッタルを最後部に設置。(しかし、この高さで露天式とは、使うには度胸がいるでしょうに)

 そして最大の肝、艦橋トップの測距儀とレーダー。
 レーダーは強度を上げるため真鍮線とバネステンレス鋼を半田付けして製作。
 測距儀も外見はプラ棒ですが、芯にピアノ線が入っています。また、測距儀はポリキャップではめ込む構造になっているので手動ですが方向を変えることができます。

 塗装した艦橋トップをのっけて固定。
 我ながらその出来栄えには満足。

 測距儀基部の扉が開いていますが、下の階から階段を上がり、ここから見張所へ出れます。
 正確にスケール計算して作っていますが、そうするとこの扉の高さは120cm程度しかありません。
 大人が出入りするためには屈まないといけません。
第1煙突及び第2煙突

 第1煙突は非常に悩ましい形状をしています。
 断面の形状は楕円形ですが、途中からラッパ状に広がっています。
 模型を作る時に一番苦労するのは円形です。真円であれば売っている材料を使うなり、キャップなどの廃材を利用するなり方法はありますが、楕円はいつも苦労します。更に半分だけラッパ状とは・・・。

 結局、平面で大まかな形状を作って削り出す方法を選択。写真は、まずは楕円柱の形状を作っているところ。

 続いてラッパ状の形状を再現。
 最初に上面の形状を決めてから、楕円柱の面と合わせる様に一枚づつ板を張り合わせます。

 なお、楕円柱を作るために貼った上面と底面の板は、この後の工程の最後に切り抜いちゃいます。

 全体をエポキシパテで成形し、各面の角が露出するくらいまで紙やすりで削り落すと断面が楕円形で、更に上に行くほどラッパ状の第1煙突独特の形状が再現できました。

 ファンネルキャップをのっけて各配管を再現した第1煙突。
 これで第1煙突の全てのディテールが完成。
 ファンネルキャップはプラ板の削り出しで製作。煙突周囲の手摺り状の物は直径0.5mmの絹縫い針を差し込んで、縫い糸を通していくことで再現しています。

 愛宕を製作した時に失敗しましたが、ファンネルキャップの内側は先に塗装しておかないと、上部のガードを作った後だと塗装できませんので。

 第2煙突は単なる楕円柱なのでプラ板の張り合わせだけで作りました。
 最初に形を決めるための上部と下部の板を切りだして、そこに側面になる板を厚めのプラ板を使って張り合わせていきます。そして後から側面の角をヤスリで削ればOK。
(厚めのプラ板を使うのは、角を削った時に穴が空かないように)

 形を決めるために使った上下の板は後でくり抜いてしまいます。
 第2煙突のディテールアップは基本的に第1煙突と同じ要領で。
後部艦橋

 完成した後部艦橋。
 最上段の踊り場から第2煙突前の踊り場までの通路は、後部艦橋側で製作。
 また、両サイドの機銃座と、艦尾側の踊り場へも同様に歩いて渡れるように手摺りを配置しました。

 塗装が完了した後部艦橋を甲板上に固定して第2煙突と接続。
 この後部艦橋製作では間違えて外板の塗装前に窓をはめてしまったので全体塗装にはえらく気を使うはめになってしまいました。

 後部艦橋の最下段と第2煙突の下付近にはお得意の『本当に開閉できる扉』を設置。
 そして艦内の通路を通って抜ける先は・・・魔改造のページにて。
中央甲板

 煙突等が載る中央甲板の基部は写真のように非常に複雑な形状をしています。
 しかも左右非対称。
 作りづらいったらありゃしません。

 最初に天井に当たる板を切り抜いてから壁になる板を貼り合わせて作ります。
 穴が空いている場所には1番煙突が乗ります。

 第1煙突前方の探照灯台です。
 第1煙突周りの構造物は全てヤグラ状に組まれており、これは大和型戦艦などでは見られない構造です。
 探照灯や射撃指揮装置の設置位置をできるだけ高いところにするためには簡単な方法ですが、戦闘艦としての強度上は如何なもんでしょうか。

 おかげ様で、模型を作る方としても面倒なことこの上ない。

 探照灯台を下側から見るとこんな感じですが、台座フレームのディテールが良く分かります。

 中央部グレーのパイプは探照灯用LEDの電線を通すためのもの。台座がやぐらになっているため、こんな方法を取らないとLEDの電源がとれません。

 射撃指揮装置を設置。
 この辺りは艦橋の横の通路から射撃指揮装置、第1煙突下段踊り場、第1煙突後方の踊り場まで通路が繋がっています。

 射撃指揮装置も完全に手作りです。

 高角砲に挟まれた儀仗砲周りのディテール・・・とは言え、ここが何のためのスペースなのか不明だったため、かなり勝手な解釈で作った挙句、台座部分は完全暴走。

 詳細は魔改造のページにて。