伊豆大島ツーリング
2007.3.9〜11(109km)
(三原山編)

さて、今回は三原山の模様をご紹介しましょう。

(遅くなりました、やっと完成です!!)



三原山頂口からの景観です。
ここは三原山外輪山の一画ですが、
山頂にこのようなカルデラ地形があることにビックリです。
過去の記録を見ると、このようなカルデラ地形ができる前は
富士山のようなコニーデ型の山が三原山だったそうな。
今回2日連続して、ここまで自転車で登りましたが
火口までは行けませんでした。
次回はあそこの火口まで行きたいと思います。

行程

1日目: 元町〜御神火スカイライン〜三原山山頂〜三原山登山道路〜元町
2日目: 元町〜三原山登山道路〜三原山山頂〜御神火スカイライン〜元町〜岡田(船にて輪行)


島一周を終え、「御神火スカイライン(ゴジンカ)」を登り始めたのが14時30分です。
三原山の登りは凡そ500mくらいですので、決して楽な登りではありませんが、時間的には十分あります。
ゆっくり登って1時間ちょっとで登れるでしょう。
しかし、この「御神火スカイライン」は他の登山道路(三原山登山道路 あじさいレインボーライン)に較べて約1/2の道のりしかありません。単純に言ってしまえば、2倍の傾斜があるということなのです。
「三原山の頂上はどうなっているんだろう」
「急坂を登ることができるの?」
「登っている途中の景色もきれいだろうな」
などと、期待と不安の中、車も滅多に通らない静かな環境を登ります。
聞こえるのは、自分の激しい呼吸と心臓の音だけです。
もっとも心臓の音は、胸に手をあてた時に感じる鼓動が音になって聞こえる気がするだけなのですが。

「峠」を登るときもいつも思っていますが、苦しくて休んでいるとき心臓に手を当てると、飛び出てくるくらい激しい心拍音が伝わってきますが、大丈夫なのでしょうか。




椿の森です。
2日目の本日は、昨日深夜からのスコールのような雨で
そのまま帰ろうと思っていましたが、11時頃見事に雨はやみました。

昨日の下りにここを通過しましたが、スピードで良く認識できませんでした。
でも本日(11日)は登りですので良くわかりました。
椿の林じゃないよ、森だからね。
そのスケールの大きな椿の森に脱帽です。




大島での初日と2日目が錯綜していますが、今回はいいでしょう。
なぜなら、初日が「御神火スカイライン」を登り「三原山登山道路」を下り、2日目はその逆コースを行ったからです。
登り始めはかなりキツイ登りです。途中で坂ヤン、Fさんと別れ単独で登ります。
通常であれば、登り始めがキツイ登りがある場合は途中で楽になりますが、今回は違います。
登るに従ってますます急坂になってきます。
足にきていますので、休み休み登りますが、途中でロードレーサーにピュっと抜かれます。
彼は「キツイですねー」と言いながらも、すいすい登って行っちゃいました。
(鍛え方が違いますか)

樹林に囲まれた環境の中、考えちゃうんだよね。「何で、こんな辛い思いをして登っているんだろう?」ってね。
今回の解答は簡単です。

ちょっと大袈裟だけど、もう2度と来ないかもしれない大島ですので、今登らなければならない。
(明日は雨の予報なので登れないかもしれないので、今しかない)
一期一会の世界ですね!

あの、ジグザクの山の火口はどうなっているんだろう。
富士山みたいな火口があるのだろうか。是非見てみたい!

三原山という「峠」を目の前にして、そのまま登らずには絶対帰れません!







御神火スカイラインの登りです。
森林地帯を越えると、ご覧のような素晴らしい景色が広がっており
ビックリしました。
疲れていても「来てよかった」と感じた一時です。




ところで、「御神火スカイライン」の「御神火」(ごじんか)って何だと思いますか?
日本では、自然のあらゆるものが「神」として崇められています。
例えば「木」や「石」や「滝」などです。「山」も例外ではありません。
その「神なる山」は三原山であり、その「火」と言えば噴火に他なりません。

傾斜はますますキツくなり、ぐんぐんと高度を上げて行くと、森林を抜けて視界が開けます。
苦しい登りの成果が具現化される瞬間です。その風景の素晴らしさと、自力で登ってきた充足感に満たされます。
空は開け頂上も近づいているのが分りますので、滅茶苦茶疲れているのですが力が湧いてくるのです。







新火口展望台から見る、三原山山頂です。



「火口まで40分くらい歩く必要がある」と聞いていましたが、三原山の頂上がこうなっているとは。
来て良かった!

前編の冒頭に書きました驚きとは、この光景なのです。
現在いる所は三原山の山頂に違いないのですが、外輪山の一画なのです。
外輪山の真ん中あたりにご覧の新火口が聳えています。
この地形は、いわゆる「カルデラ地形」なのです。

三原山は、昔は富士山のような「コニーデ型」火山だったとのことです。
ということは、この外輪山の中、いわゆる上の写真の全体が噴火で吹っ飛んで現在の形となったのです!

カルデラの大きさからすると三原山は、かなり高い山であったことが予想されます。
この三原山といい、箱根といい、カルデラになる前の状況を想像すると、富士山みたいなコニーデ型の山が連なっている壮観な風景が広がっていたことでしょう。
さすが、富士火山帯ですね。




2日目、雨が止むのを待って三原山にアタックしました。
皆さんとても強く、俺たちが8割がた登った頃には既に頂上に着いていました。
茶屋で食したお汁粉は最高でした。



2日目、雨です。
それも、スコールのような大雨なのです。風も強い。
予報では午後には晴れるとのことですが、朝食を摂っているAM8時頃は、その嵐に呆然です。
組長は、飛行機で帰る算段をとっており、この嵐で飛行機が飛ぶか気がきじゃなかったようですね。
事実、朝の大島行きの飛行機は、羽田・調布とも欠航とのことです。

そんな中、気象にちょっと造詣が深い俺たちは「観天望気」を実施すると、早晩天気が回復する兆しを感じました。
※「観天望気」とは、空を観察して天気の移り変わりを予想する方法。

案の定、10時を過ぎるあたりで雨は止み、三原山アタックができる状況となりました。

コースは昨日とは逆コースをとります。
勝負好きの坂ヤンです。登り始めから仕掛けられてしまい、あっと言う間に先に行ってしまいました。
雨は完全に止んでいますが、登っていくに従ってガスが発生。
坂ヤン、Fさんとも先に行ってしまいました。車も全く通りません。
ホワイトアウトのような状況の中、物音も全くない状況の中の登りとなりました。
死後の世界はこんなものなのかな。

3人とも無事に頂上に到着しましたが、ガスに包まれ視界はゼロです。
仕方なく、頂上の茶店に入り汁粉などを食します。美味いねー。
茶店のマスターと坂ヤンがギター談義及びチューニングなどをしていると、何とガスが晴れ三原山の新火山も見られるようになりました。よかったよかった。
後で聞いたら、組長も飛行機がちゃんと飛び無事帰れたみたいです。





大島ともお別れです。帰りの船は14時50分発ですので、海の風景を眺めながらの航海が
楽しめます。夕方までご覧のような、青い海、青い空を眺めながら、島での思い出話に
花を咲かせつつ、3人で酒を酌み交わしました。





岡田港にも予定通り1時30分頃に到着でき、昼食を摂ります。
港近くの食堂に入りますが、これが意外に美味い。店の親父が釣ってきた魚をさしみで出してくれるのです。
俺たちは「くさや」を食べたかったので、何と「くさや定食」を注文し、坂ヤン、Fさんとも店のオバハンが勧める、上記の「さしみ」を主とした定食を注文しました。
「くさや」にしても「さしみ」にしても美味かったねー。
元町も良いけど、岡田も良いんじゃない。
腹ペコの坂ヤン、店のオバハンに確認しましたよ。「お替りは有料ですか」と。
聞いてよかった。「有料」だって。
結論:大島では、ご飯のお替りは有料です。

そして、出港です。
時間が無くて写真に撮れなかったけど、大島から出港する時は「若いあんこ」が見送りに来てくれます。
紙テープかなんかも投げたりしています。
なかなか粋な計らいかと思います。

船中一泊、民宿で一泊の2泊3日の島ツーリング、いかがでしたでしょうか。
夏に来て海水浴を絡めたツーリングにしたら、かなり面白い旅になるんじゃないかと思います。
甲板で酒を飲み思い出に浸りながら色々考えさせられます。

海は清々しくていいよね。(峠も良いけどね)



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