会社の仕事の大半は難しくない

俺たちも社会に出て早や16年経ちました.。職種の内訳としては、「営業職13年」「工場の出荷生産管理3年」です。
そこでここでは、工場、営業と2つのケースに分けて仕事の本質について説明したいと思います。


工場編

まず、工場の仕事ですが、大別しますと次の2つがあります。
一つ目は、営業から来る販売計画に対応した生産計画を立てる事とオーダーに基ずいて作業指示、出荷指示を作成する毎日のルーテインワークです。
今一つは、生産と出荷と作業人員のバランスが不釣合いの時の各部門との折衝、自部門での対処方法を検討実施する、非ルーテインワークです。
もちろん、非ルーテインワークは高度な知識、判断力、折衝力が必要で難しいのですが、仕事の量からしますとその割合は
ルーテインワーク8に対し非ルーテインワーク2の割合で圧倒的にルーテインワークが多いのです。
それでは、仕事の重要度合いはといえば、5分5分です。ルーテイン非ルーテイン双方こなせて一人前といえます。

君たち学生諸君が会社に入ってやらされる仕事は、もちろんルーチンワークです。間違っても非ルーテインワークはやらされません。毎日、毎日「表の集計」作業であったり「管理グラフ」の作成であったり、納品書のチェックかなんかをやらされて、暫くはつまらない下積みをやらされることでしょう。
しかし、ここで気をつけなければなりません。ルーテインワークは易しいのですが「失敗やミスが許されないもの」が多いのです。
学校では80点を取れば「優」でOKですが、社会では、特にルーテインワークをやっている場合は80点では不可です問題は易しいのですが、常に100点満点を取る必要があります。

会社は「実績と信用」で評価されます。その点、「実績も信用もない」新入社員である君たちは、評価0であるので「信用度合い」を何かで判断する必要があります。そこで、第一段階としてルーテインワークを敢えてやらせてるのさ。
学生時代は人生をなめきっている奴が多いが、会社に入ったら「お金をもらって働く」プロになるんだから、なめたらあかんよ。
つまんない仕事でも一所懸命やって下さい。そうしたら、いつのまにか重要な仕事を任されていると思うよ。
営業編

営業といいますと、一般的には「ノルマ」があって厳しく、いやなお客でも頭をさげなければならない、できればやりたくない仕事だと思われがちです。
しかしながら、営業職をとりあえず13年間やっている俺たちとしては、こんなおもろい仕事はないと思っています。
営業の楽しみであったり、営業の意義であったり、営業テクニック等のお話は次回以降で述べるとしまして、ここでは主題に沿った内容を論じます。

工場編と同じように「ルーチンワーク」「非ルーチンワーク」というくくりで論じたいのですが、残念ながら営業の世界にはルーチンワークはないと俺たちは思っていますので、「営業の基本」と「営業の応用」というくくりでお話します。

まず「営業の基本」とは何か。こう言うと非常に難しいのですが、敢えてザックリと言いましょう。「販売したい製品のスペック(特性)をお客様に説明でき、それに対するお客様の意見をありのままに上司に報告できる」能力をもっていることでしょう。
いわゆる、「製品の説明ができる」「お客様の意向、問題点を上司に「報・連・相」(報告・連絡・相談)できる能力」が必要です。
もう一つは約束は絶対守るということです。
アポイントや宿題の回答や見積もりの提出などお客様と約束する場面は無数にありますが、その約束を守ることは基本です。この「約束を守る」ことは、工場の「ルーテインワーク」と同じように100点満点をとる必要がある数少ない営業の管理特性です。
約束を守ることは当たり前のなのですが、これを守れない奴は信用がおけないということで、ビジネスの世界では排斥されます。当たり前なことだけに、逆に厳しい掟みたいなものです。

次に「営業の応用」とは何か。

お客様の問題点、課題を掘り起こして解決する能力をもっている。いわゆる
ソリューション力を持っている。
お客様の言っている事の表裏を見極めることができる。いわゆる、
相手の心を読む能力を持っている。
お客様を説得する能力をもっている。いわゆる
折衝力がある。
この3つの能力を持っていれば完璧かといえばそうでもありません。ここが営業の難しい所です。
「人対人」の世界である営業は、「お客様に好かれる」とか「お客様と仲がいい」といった要素も大きいのです。
嫌な奴からは物はできれば買いたくないというのが人情です。
それじゃ、どうしたら「お客様に好かれる」ことができるか。こればっかりは、個人によってやり方が違うので何とも言えません。
いくら、知識があり、ソリューション力を持っていても、お客様に嫌われていたら折衝もうまくいかないし、物も買ってくれません。逆に、好かれていても、知識がなく、ソリューション力を持っていなければ買ってくれません。
やはり営業は難しいね。でも、難しいからやり甲斐があるんです。



以上は営業職の主要業務である、お客様とのやりとりに焦点をあてて論じていますが、実は営業の業務はこれだけではありません。
営業のサイクルは
「受注→物の手配→納品検収代金の回収」でワンサイクルです。
もちろんこのサイクルの中で受注が難しいのですが、他のサイクルを実施できなければ、お話になりません。
またこのサイクルの裏には事務があり(いわゆる
営業事務)、円滑に物を収める為のインフラ(基盤)を整備する営業業務があり、販売促進を考える営業推進などがあります。
(ひとつずつその意義を申し上げてもいいのですが、ここではやめます。)
「営業は売れば良い」というのは、浅薄な考えで、「利益性」であったり「売り先の与信」であったり「在庫」であったり「物流」であったりと、様々な問題を踏まえて営業活動する必要があります。
これら、
営業の主要業務以外の事に関して詳しい奴が非常に少ないのが実情です。
しかし、この営業の主要業務以外の事ができて初めて一人前の営業といえると俺たちは思っています。
やはり、
営業は会社組織の中で一番難しい業種であると思われますね。