富士登山の合理的な方法のご提案

Y2K Mt.Fuji Climb planning note改
20世紀最後の年です。こういう年だからこそ、富士山に登ろう。外人は皆、日本と言えば富士山とその名をあげます。
また実際外人がいっぱい登ってます。白人は寒さに強いとみえて、短パンで元気に登っている奴をずいぶんみかけます。(夜の登山時に散見されます)

俺たちの富士登山履歴(9回登頂成功)
吉田口(河口湖口)4回  富士宮口4回(内1回が御殿場口ルート含む)  須走口1回 
9回登頂の内、須走口以外の7回が小屋泊まらずの日帰りです。(2000年は富士宮口からの登山に成功)

2000年の登山は8合目まで富士宮口 8合目小屋は御殿場口の小屋に泊まり、御殿場口を登山。
剣が峰を登頂後、御殿場口を下山。7合目から大砂走を下り、宝永山火口経由で富士宮新6合目に下りてくるルートでかなりバリエーションもありかつ空いているルートなので、今回のルートは須走口と並んで俺たちのお勧めのルートです。
(詳細は2000年富士登山参照)
富士登山にあたっての注意事項
  • 富士登山も登山ですので、朝行動開始 15時くらいには行動終了とします。
  • 富士登山は登る早さを競うものではありません。特に俺たちの富士登山の場合そういった体力的なものはあまり重視しません。その代わりレポートの提出は必須です。あなたにとって、富士山とは  今回の富士登山で得たもの失ったもの等々題材は自由です。
  • 山ではリーダーの指示は絶対です。 会社ではリーダーはおろか部長の命令も聞かない俺たちですが山では絶対リーダーの指示は聞いてください。下手しますと命を失うことになります。富士山でも落石事故で多数の方が亡くなっています。
登山ルート
  • 登山ルートは4つ。富士宮口 御殿場口 須走口 吉田口(河口湖口)このうち昨年は須走口から登りました。今年はどのルートから行くか。最終的にはメンバーで決めますが、私個人の意見では今年も須走口から登りたい。なぜって、見晴館に泊まりたいからです。また、登る人が比較的少ないのでこの口がすきなのです。20世紀最後の富士登山は須走口からでお願いします。
  • 各ルートを紹介しましょう 
  • 富士宮口 なんと言っても浅間神社奥の院(山頂にあります)への表参道。富士山へ登るならここから登らなきゃもぐりですよ。
    5合目も2400mあり他の口より標高が高い。
    一番の見所は6合目からちょっと行くと見える宝永山火口でしょう。絶景です。
    難点は落石事故(吉田口)の影響で砂走りの下山道が閉鎖され登山道と下山道が一緒で混みあう点です。
    御殿場口 俺たちは一度も行ったことがないので、ガイドブックレベルの開設をします。
    なんと言っても下山時の大砂走が有名。御殿場口の5合めはかつての2合目であり、太郎坊といわれた所。登りには不向きな口である。
    須走口 富士山の東側の登山道であり、5合めが2000m弱で森林限界の下であるため唯一森林の中を登山する口である。
    登山道と下山道が分かれている上に富士登山ツアーのコースでないこと、5合目までの交通手段がマイカーを使用しないと不便であることから、入山者が他の口より少ないのでマイペースの静かな登山が楽しめます。
    山小屋がいい。くだりが砂走りになっているので楽しい。ご来光 影富士が小屋から見える。俺たちお勧めのコースです。
    吉田口(河口湖口) 東京方面からのアプローチが便利であり、各富士登山ツアーがこの口から登る為一番賑わっている登山口である。
    この口は俺たちも結局は一番多く登っているが、他の口と較べて決して登りやすい口ではないと思います。どちらかと言うと一番疲れる登山道だと思います。
    なぜならば、登山道が他の口に較べて岩が多く登りが急だからです。その代わり山小屋がやたらあるのでその厳しさが解りにくくなっています。
    お金を出せば何と7合目まで馬で行けちゃいます。貧乏な俺たちは馬糞を踏みつつ頑張ってのぼります。
行動編
富士5合目へのアプローチは車とし、1台MAX 4人乗車とします。
京都 名古屋 豊田 の渋滞を考えると遅くとも6時には高速にのっていたい。
12時くらいから登り始め4時に見晴館着。酒盛りを開始すれば、疲れた体も癒されます。

  登山方法は「富士山のページに書いたとおり、地下鉄の階段を登る歩幅で一歩一歩ゆっくり登るのが秘訣ですよ。須走口の場合、5合目から見晴館までは垂直の高度差が約1,200mあります。一時間に300m登る計算になりますが、あせらず休まずゆっくり登っていれば楽なペースです。


体力的に自身がない人が多いこの世の中で、とても自分は富士山に登れないと思っている人が大半ですがそんな事はありませんと断言する俺たちです。
前の会社で、どちらかというと太っており運動神経が鈍い女の子を一人、この会社でも普通の女の子を2人、無事に登らせています。
しかも日帰りでですよ。その時は正直言って不安でしたが、今回のコースははっきり言って堅実なプランですのでまず間違いなく登頂成功と思っています。お鉢回りも出来てしまうのでは。
(富士山の最高峰 剣が峰は吉田口 須走口の反対側にあるのでお鉢回りをしないと到達できませんが、ほとんどの人は剣が峰まで登っていない状況です。)
お鉢回りをするやつははっきり言って偉いし自慢できると思います。

ちょっと一言
今年も組合主催で富士登山があるらしい。しかしながらその登山計画書をみてびっくり。
相変わらずの、夜9時30分頃、登山開始、日の出頃、山頂着というほとんど自殺行為の計画だ。

山でなく、平らな所を徹夜で歩いても眠いし相当疲れるよね。
早大では、早稲田精神昂揚会という右翼みたいなサークルが主催して埼玉県の本庄と早稲田間100Kmを一晩かけて歩くという「本庄ー早稲田100Kハイク」が5月ころ開催されており俺たちも参加したことがあるが、疲れるの、眠いの、足が痛いので大変でした。いわんや富士山をやである。

一晩中、眠らずに山を登っていれば体調も悪くなるよ。
それに増して、夜の富士山の気候はどうなっているかといえば、気温は地上より約30度低いので0度くらい。8合目を過ぎると風が強くなり、10mくらいの風が吹いています。(体感温度は風速1mごとに1度下がります)気圧は地上の3分の2しかない。
(呼吸を3回しても実質2回しかしていないのと同じなのでその分沢山呼吸しなければならない)これは、健康な若者でも体調が悪くなるぜ。

それを今回の案内を見るに、「日頃より体力をつけておくように」とか、「登山時の責任は自己責任」とか良く書くよな。
俺たちに言わせれば、「ずさんな計画を棚に上げてよく言うよ」といったところかな。

ちなみに、頂上の「無料休憩所」は疲れ果てている登山客に対してすごく冷たいよ。
「ここは、休憩所であって仮眠所ではありません。ちょっと、そこのお客さん起きて下さい」とどやされます。
彼らも商売ですもんね。
ホットミルク300円、お汁粉300円 ラーメン500円(インスタント)等々バカ高いんですが凍えて疲れた体を回復するためにほとんどの人は注文してますね。(バカ高いんですが、20年前と値段が変わってないんじゃないかな)

こういうずさんな富士登山計画にのって初めて登る人も多々いることでしょう。その方々の登山後の感想は目に見えます。「富士登山は寒いしきついしで大変でした。やはり富士山は見る山で登る山じゃないです。もう頼まれても登りません。

装備編
1. 登山時の装備はその良し悪しで体に与える影響が大ですので、慎重にセレクトしましょう。雨ガッパはフード付きのやつが必須です。
普通の登山の場合、林間を歩くケースが多々あり、意外に折りたたみ傘が重宝したりしますが、隠れる所が無く風にさらされる富士山では傘は役にたちません。合羽の素材はできれば、汗を発散し雨を通さない素材であるゴアテックスがベストです。
登山もスポーツなのでかなり汗をかきますが、合羽を着るとかなり蒸れますし、雨に濡れなくても汗でずぶぬれになってしまいます。ゴアテックス素材の合羽ならばこんなことはなく快適に登山できます。

この差は本当に大きいので多少高くても山登りをする人はゴアテックスの合羽を皆もってます。夜は基本的に活動しないので防寒着はこの合羽で十分です。


2. ちょっと一言で富士山の気温が地上より30度低いと記述しましたがこれは、あくまで夜の話です。昼間はといえば晴れていればかなり暑いですし、晴れていなくても寒いということはありません。
Tシャツで登っても気温的には良いのですが、空気が澄んでいる分、紫外線がかなりキツイのでかなり日焼けします。日焼けは登山者の体力をかなり奪い、高山病の原因となりますので極力避けた方が良い。

従って上着は長袖のカッターシャツが良い。また日差しを避ける為、帽子、タオル等が必要です。


3. ズボンは長ズボンが良い。理由は上記の通り、日焼け防止の為と朝の防寒の為です。半ズボンをご希望であれば、ハイソックスを履き極力日焼けしないようにしてください。

Gパンは汗を吸ったり雨に濡れると固く重くなり登山者の行動を束縛しますので禁止とします。通常のスラックスとしてください。
素材としてベストなのは濡れても冷たくならない羊毛のカッターシャツ ズボンです。
なければ綿 化繊でもOKです。
しかし、夜の登山であれば、絶対に羊毛としてください。夜の富士山のあの寒さは半端じゃないですから。


4. 靴は登りだけであれば、通常の運動靴でOKですが、下りを考えるとキャラバンシューズが必要です。あれば便利なのがショートスパッツです。これを装着すれば下りの砂走り時に砂利が靴に入りません。

5. 懐中電灯 リーダーは万が一の為に持っていきますが、必要ありません。


6. 水 食料 菓子 酒  昨年の実績ですと見晴館まで500mlのウーロン茶のペットボトルを3本飲みました。実は4本持っていったんですけれど、4本目はウイスキーを割るのに使用しました。
本当を言うと5本目にウイスキーを詰めていました。ですから水だけで2.5kgも背負っていたのです。どうりで出足が辛かったはずだ。
 食料は夜食、朝食は山小屋がだしてくれるやつをたべます。ですから1日目の昼食をもっていく必要があります。これも、昨年の実績でコンビニの蕎麦とパンとしよう。
登山はハードなスポーツですので、即エネルギーになる糖類を摂取した方がよい。ビタミンCの摂取を兼ねてCCレモンの飴はかなり利いたきがしました。
  • 費用  大所の費用として 交通費はガソリン代+高速代で約2万円 (これは人数割 昨年は2人だったので1万円/人でした) 山小屋代 6000円/人  風呂代2000円 その他2000円で一人20000円くらいかかりました。(関西からの富士登山バスツアーだと大体13,000円/人かかります)そんなには割高ではないでしょ。1台4人乗れば似たような金額になるじゃないですか。