平成22年6月6日の日曜日。
 東京港の晴海桟橋より、護衛艦「たかなみ」の体験航海に乗艦してきました。

 実は、もともと予定しての乗艦ではなくて、たまたま見かけたので近寄ってみたら体験航海をやっていたというもの。
 本当は、事前に新聞募集に応募した人だけの体験航海だったようですが、聞いてみたらキャンセル待ちがあるとのこと。早速申し込んだら見事乗艦可能となったのです。(ラッキー)





護衛艦:たかなみ
 たかなみ型護衛艦のタイプシップで2003年就役。
 海上自衛隊の汎用護衛艦(イージスとヘリ空母除く)の最新型。
 前級のむらさめ型の改良型で、搭載砲は76mmから127mmに換装されている。
 雲一つない晴天の下、思ったより会場は盛り上がっていました。
 今回の体験航海は埼玉地方隊(って、海がないんですけど)が主催とのことで埼玉県の人が多いのかと思ったら、特にそういった訳でもなさそうでした。
 けど、お婆ちゃんの団体さんとか、小学生くらいの子供を連れた家族連れとか、やっぱり普段の海上自衛隊のイベントとは少し毛肌が違う印象でした。

 むしろ、軍事お宅さんの私等の方が浮いている感じ。
 会場では指揮戦闘車や装甲車の展示もやってました。
 むしろ、埼玉地方隊としては、こっちが本当か?

 中にも入らせてくれて、上部の射撃手席から頭を出すこともできるんで、よく観光地にある『顔を出して記念撮影する看板』のごとく、皆が記念撮影していました。
(もちろん、機関銃は取り外し済み)


 因みに開発は技本(技術研究本部)とか。
 軍隊ラッパの実演では、耳に馴染みのある『ラッパのマークの正露丸』の音楽等を演奏していました。
 あれって、旧陸軍で使っていたフレーズだったんですネー。

 軍隊では、一日の節目節目(起床、昼食、日の出、日の入り・・・)をラッパで示していました。
 今日の体験航海の「たかなみ」が、お伴のタグボートと一緒に、前の体験航海から帰還してきました。

 写真が小さくて申し訳ありませんが、甲板には乗艦している見学者の人がたくさん見えます。
 タグボートに押されて着岸中。
 驚いたのは、タグに押されている最中って、思ったより艦全体が大きく傾くんですねー。
 もともと、護衛艦は速度が出やすいように、艦の長さに比べて幅が極端に狭くなっています。
 そのため、ちょっと横から押されただけで、こんなに傾くんでしょう。
 いよいよ乗艦します。

 今日は天気も良く(・・・良すぎて、絶対に日に焼ける・・・)、風も無いので絶好の体験航海になりそうです。

 それにしても、近くで見るとやっぱり大きいです。全長151m、満載排水量6,300tonは伊達じゃない。
 まずは、艦橋を訪問。
 皆だいたい同じことを考えるんですね。見学者でごった返しています。

 この後、結局航海中も艦橋を公開したままでした。さすがに前半分へは行けないようにロープを張っていましたが、ギャーギャー、ワーワーの無駄話といい、ウイングへも自由にアクセスできない状態で、良く操船できますなー。
 これも訓練の賜物でしょうか。
 ブリッジの窓に落書き発見。

 小さくて見えにくいですが、写真中央の窓の左側、上下の中央付近に青い文字で、上に向かって「N」、左に向かって「E」・・・の文字が書いてありました。

 なんのことない、他の船が見えた時などの報告に使う方位を頭に浮かべやすいように書かれていると思いますが、それくらい覚えてよね。
 まずはブリッジの機器からご紹介。

 こちらは航法支援装置でしょうか、それともエンジンテレグラフ?

 すみません、最初から良く分からない。

 誰か知っている人がいたら教えてください。
 こちらは対水上レーダーの画像でしょうか。(対水上レーダーは、この後の写真でも出てきます。)

 付近の地形や、航行中の船がシッカリ映っています。

 気付いたのですが、画面の右隅のグレーの領域を見ると、どうやらこの画面はWindows等のGUIマンマシン系を使っているようです。
 最近の装置は、皆この傾向です。
 ブリッジ後方にある、戦闘状態表示盤です。各部署の配置完了状態を表示するのでしょうか。
 この辺とか、昔ながらですね。
 同じくブリッジ後方にあるフィンスタビライザの操作装置です。(写真の右下の装置、その左側は、なんか電源の集中投入箱かな)

 フィンスタビライザは、日本人(MHIの人)が発明した、横揺れ防止装置で、ある程度の大きさの船であればほとんどが装備しています。
 左右に海の中に突き出た小さな翼のようなものがあり、この角度を変えることで浮力を制御します。(つまり、前に進んでいないと意味がないってこと。)
 先の写真にあった対水上レーダーの本体です。
 マストの中段くらいに設置してあるエレキドラムみたいな形で、常にクルクル回っています。
 写真の箱のような装置はECCMといって、ECMを無効かする装置です。

 って、言ってもなんじゃそりゃ?

 ECMは、敵の電波を妨害したりして、電子戦装置を無効化するものですが、これはそれを更に無効化して、ちゃんと自分の電子戦兵器が動作するようにしたりします。
 こちらは士官食堂。艦長とか偉い人達がお食事するところですが、天井のライトの形が少し変では・・・。
 聞くと、有事には手術台としても使うのだそうで、そのためのライトも兼ねているとのこと。
 艦内に手術用ベットは一つしかなく、怪我人が出た場合には対応しきれなくなるからだそうです。
 それでも足りない場合は「助かりそうな人」優先で治療するとか・・・。「ここはそういった船ですから」と、ご立派。
 それにしても、手術した後に、ここでステーキは食べにくい・・・。
 甲板上の127mm 54口径速射砲です。

 甲板上で最も目立つ装備品で、これの動作公開には沢山の見物が集まりました。

 思ったより早く動くもので、別に発砲した訳じゃないんですが、右に振っただけで「ウォー」、左に振ってまた「ウォー」、砲身を上げて「オォォォー」と、
 その度に歓声が上がっていました。
 舷側に装備されたチャフの発射装置です。
 チャフって何って、人に聞かれて答えるならアルミ箔の発射装置。

 とってもコンパクトで、単にアルミ箔発射するだけのもんでしょって甘く見てはいけません。
 防衛装備品なんだから、これもきっと何千万とかするんですよ、・・・きっと。
 楽しかった体験航海も、もうすぐ終わり。もとの晴海ふ頭へ前進微速。

 ここに至って、左舷ウィングのベストポジションをゲットできました。

 頬にあたるベトベトの潮風が気持ちイイ。
 本当ならウィングはかなりの強風に当たるはずですが、この遮風装置のおかげで、思ったより静かです。

 それにしても、見よ! この泥水を。

 お台場とかで、良くウィンドサーフィンやジェットスキーを見ますが、海水を飲んだら腹こわすぞ、絶対。
 お迎えのタグボートが来て、いよいよ着岸です。



どこもかしこも見学者で、相当お仕事し辛かったと思います。

 お疲れ様でした。
イヤー、楽しかった。
って、自転車に戻ってみるとタイヤがペチャンコ。
 なんと、バルブごと取られてしまっていました。

 付近に自転車屋なんかありませんし、仕方なく3kmくらい自転車を押して歩くことになりました。
 当日は車は相当混んでいたので、遠くから来た人のヤッカミでしょうか。
 変人って以外と多いので、皆さんもお気をつけください。