15cm副砲

 副砲の元になるのはこちら、口臭除去スプレーのキャップです。
 白いのがあったり、透明なのがあったり、材質もまちまちですが直径が同じならOK。これを高さ5mmの円柱状に切りだします。

 ずらりと並んだ15cm砲の砲身。
 砲身は真鍮パイプにて作成。強度を上げるため芯材として直径1mmの真鍮線を通して、径の違う真鍮パイプで砲身の形にしています。長さは38mm。
 金剛型に搭載されていた15cm砲は50口径。口径とは砲身の長さが大砲の穴の何倍かを示した数値で、50口径とは砲身長が穴の50倍であることを示しています。実物の詳細な砲身長は7,600mmです。

 榛名の最終状態ではこれを片舷4基、合計で8門搭載していました。

 砲塔には4mmのプラパイプを天井に穴を空けて、中をエポパテで埋めて固定、砲身も同様にエポパテで固定します。

 副砲の基礎部分は何とCD-ROMとかをドラムで売っているものの軸部分。
 高さ4mmで輪切りにして上を0.5mmプラ板で蓋して直径5mmの穴を空け、砲塔の軸が通るようにしています。
 基礎部分の中にはポリキャップを固定して、手動ですが副砲の向きを変えられるようにしました。

 副砲を船体に仮固定して全体の見栄えの確認。
 やっぱり防水用のキャンパスが張ってないといまいちですかね。

 余談ですが宮崎アニメなんかに出てくる軍艦は大抵、舷側に副砲を配置した格好になっています。
 これは大正期の世界各国の軍艦のオーソドックスな配置ですが、私はこの舷側にずらりと並んだ大砲のイメージが大好きです。
 榛名も新造時はもっと沢山の副砲があったのに、どんどん撤去されちゃって最後は片舷4門、
 少し寂しい気がします。

 副砲全体の塗装は船体と同じニュートラルグレー(タミヤ製)を使用。
 防水布については悩みましたが、平時はキャンパス布そのままだったのでクリームがかった白だったのでしょう。しかしながら戦時は目立たないように船体と同じ色で塗装されていたと云います。
 で、結局、船体より少し暗めのダークグレイで塗装しました。

 しかしながら、制作が進んだところで全体的にグレーばっかで何か色気が欲しくなって・・・

 結局、白色に塗り直しました。
36cm主砲

 プラ板の切り出しのため真っ白けで形が判り辛くてすみませんが主砲塔の台座部分です。
 中央に大きな穴が空いているのは主砲の旋回に合わせて砲身を上下させるための機構が入るため。

 材料がもともと透明なため上の写真より更に見えにくいのですが、これが砲身を動かすための機構、苦心の作です。
 材料は径40mm、肉厚2mm及び、径36mm、肉厚3mmの2種類のアクリルパイプで出来ています。
 主砲を右舷に向ける時に、砲の尾栓部分を押し下げて砲身を上げるようになっています。左舷に向ける時は水平のまま。

 仕組みとしては両舷方向で動かすことを考えたのですが、アクリルの加工は(手作業では)難しくて加工精度が設計に追いつかない。仕方がないので片舷だけで妥協しました。

 1番主砲と2番主砲の旋回は連動しているため実際には写真のような状態にはなりませんが、手動で動かして砲身が上下する様子を確認しましたが、なかなか良い感じです。

 しかし、ラジコン動作で確認したところ大トラブルが発生。
 「あっ!」と、言う間に旋回したかと思ったらバキッ!と内部機構が壊れてしまいました。

 あまりにトホホな状況に茫然自失。

 気を取り直して旋回機構の大改造に着手。
 感度の悪い旋回リミッター機構を止めて(せっかく回路考えたのに・・・)主砲の旋回軸をポリキャップで固定する方法に変更。これで片舷90°以上は空回りするようにしました。
 また、旋回モーターにギアを追加して、ギア比を更に1/6までダウンさせました。

 結果は上々、主砲を右舷に向けると写真のように砲身を上げながら旋回する動作が完成しました。

 これが旋回すると同時に砲身を上下する機構です。
 上の写真にある透明アクリルパイプで作ったパーツが、主砲を旋回させることによって砲身の後ろにあるピンを押し下げます。
 簡単な仕組みの様で、実際に動かしてみるとなかなか微妙な調整が難しいものです。
 砲身を下げる時は砲身自体の自重で下げているので、軸との摩擦で思ったように降りなかったり・・・。

 写真の右側が塗装済みの1番砲塔、左側が塗装前の2番砲塔です。

 砲身が自由に動けるように防水布はティシュペーパーで作ります。この方法は大和でもやって大成功してますんで。

 けど、大和を作ったのは既に10年も前なんで細かい作り方は忘れてます。それに、今回はまとまった時間がとれず、少しづつ製作を進めたんでどの砲塔も細かいところで制作ミスがあり、完全にまともにできたのは2番主砲塔だけ。

 けど、見た目にはほとんどわかんないからいっか・・・。
110cm探照灯

 探照灯も手作りです。
 榛名に搭載されていた探照灯は日本海軍標準の直径110cmの物で、大和型に搭載されていた直径150cmの探照灯より一回り小ぶりです。

 この大きさになるとLEDを完全に埋め込むのは困難で、仕方なく探照灯の後部からLEDを差し込むことにしました。電源の配線が探照灯の後ろから出てしまいますが致し方ありません。
 内部にはアルミホイルを巻きつけて反射板にしています。
 これで輝度がどれくらい上がるか?

 塗装が完了した1番と3番探照灯。
 正面の透明ガラス部分は透明プラ板を使用、十字の支柱は0.4mmの真鍮線です。
 本体部分の直径は4mmしかありませんので、私の技量ではちゃんと点灯させようとするとこのぐらいの作り込みが限界でしょうか。
 それでもパット見の出来栄えは上々ですし、LEDの光量も十分でした。
12.7cm高角砲

 左の写真は高角砲の台座。左側の2基が1番、2番高角砲用。右側の2基が3番、4番用です。
 製作方法は厚さ1mmのプラ板を何枚も積み重ねて削り出す『積層』を選択。おかげで小粒ながら、かなりの重量物になってしまいました。

 1番、2番の台座には昇るための階段が資料から見て取れたのですが、3番、4番にはそれが見当たりませんでした。そのため3番、4番の階段はオリジナルです。かなりの高さなので手摺りも付けてみました。

 高角砲本体は1/200大和の予備パーツから流用。
 ただし砲身は真鍮パイプを用いて自作、向かって右側の操作手がいる場所はシャッターを空けた状態に改造しました。
 また、砲の下には大和でもやったようにスノコを設置。
 「イヤー、日本の軍艦ですもんね」感をアップ。

 この高角砲ももっともっと作り込むと面白そうですが、時間がいくらあっても足りなくなりそうなので、この辺りで妥協。

 写真は5番高角砲です。
メインマスト

 最初、マストの基部にあるクレーンは形だけの固定式にしようと思っていたんですが、それも味気ないので手動ですが可動式にしてみました。
 左の写真がポリキャップを使った旋回兼上げ下げの可動部分です。この先にクレーンを挿入します。

 こんなギミックも1/200ならでは。

 マストは強度を確保するため、ほとんど真鍮線とピアノ線を半田付けして作っていますので、多少の力が加わったぐらいでは壊れません。(洋服とかを引っ掛けちゃダメだよ)

 また、万が一の破損時対策として、途中の水平V時に支柱が開いた部分の足場より上の部分は差し込み式になっています。
カタパルト

 カタパルトの完全自作は重巡愛宕に続き2回目です。
 現物が同じ物なので基本的なサイズは愛宕の物と同一ですが、作るたびに細部が異なるのは少しずつ進歩しているのか、私の気まぐれか。
 今回は先端の滑車と、尾部のディテールに拘ってみました。
 また、ヤグラの内側には爆発筒が見えます。

 カタパルト本体は台座のポリキャップに挿入するようになっているので手動で方向を変えられます。
その他

 クレーンはステンバネ鋼で骨組みを作り、プラ板で外形を作っています。が、完全に雰囲気だけです。
 このクレーンは実艦では起倒式になっていた筈ですが、今回そこまでの作り込みはなし。その代わり、これ自体がスポッと外れるようになっています。

 因みにバックにボンヤリ写っているのは重巡の愛宕です。

 内火艇はパテ盛りで作りました。
 甲板の形をプラ板で切り出し、船体中央の垂直断面だけをプラ板で作って、後はセッセとパテを盛ります。
 11m艇も12m艇も面倒なので船体は同じ形にしちゃいました。

 これだけで結構な重量ですが、内火艇は船体の1段高い場所に設置するので少しバランスが気になります。
 けど、取りあえず無視。

 上の写真で作った船体にキャビンなどをゴチャゴチャとのっけて着色すると内火艇が完成。
 それなりに作り込んだつもりだったんですが、これだけ見ると単なる子供のおもちゃのよう。
 けど、特に長官艇の方なんてキャビンの窓まで作ってんだから。(因みに、流石に横側の窓は省略)

 カッターのオールは0.6mm径のプラ棒の先をラジオペンチでギューっと潰して作りました。
 甲板に固定するロープは本当はキャンパスを巻いてカッターやボートに傷がつかないようにしていますが、なかなかリアルな質感がでなかったので、開き直ってキャンパス無しってことにしちゃいました。

 ランチもカッターと同じようにキャンパス無しで固定しちゃいました。
 けど、それが功を奏したか、思ったより綺麗にしあがりました。

 三連装機銃までで手持ちの予備材料が尽きてしまったので、連装機銃は完全に自作するはめになりました。
 かえって壊れにくくなったのでラジコンとしてはいいんでしょうけど、一つ作るにもえらい時間がかかります。
 出来栄えは上々かと思いますが。