甲板の固定はネジを極力避けてポリキャップを主にすることにしました。
 金剛型の甲板はほとんどが板張りのため、ネジ山を隠す構造物が作り辛いです。

 写真は甲板の固定に使用するポリキャップユニットのオスとメス。

 ポリキャップユニットのオスとメスを合体させた状態で、甲板の高さに合わせて船体に固定します。

 写真は後部甲板の製作風景ですが、フレーム2枚間隔でポリキャップユニットを配置しています。
 中央部付近は船体側壁が垂直なので簡単なのですが、後ろの方にくると側壁が斜めってますんで、1箇所ずつ微妙に調整しながら、甲板との接着面が平らになるように固定します。

 ポリキャップユニットの上に甲板を置くようにして固定します。 この時、ポリキャップユニットの上(オス)側を少しだけ浮かせた状態で甲板を固定するのがコツ。

 また、甲板は船体より若干大きめに作ってあります。
 ポリキャップユニットによって船体に固定する位置が完全に決定してから、甲板が船体からはみ出た部分を削ることでピッタリ船体のラインに甲板を合わせます。

 木甲板は0.5mm厚のプラ板を2mm幅×90mmに切って貼り付けることで再現します。
 戦艦大和を製作する時にも使った方法ですが、完成すると非常にいい質感に仕上がります。
 ただし、とんでもなく手間を食うのが難点。
 特に金剛型は木甲板の範囲が広いので特に大変。

 私の場合は船体中央のラインを挟むように貼り始め、一列毎に貼り合わせの位置を15mmづつずらして実艦の貼り合わせを再現していますが、本当の本当はどういった貼り合わせパターンになっていたのか研究してみるのも一興かと。

 艦首の錨導入部とガード用の錨鎖レーンは甲板の上に貼り付けています。
 錨鎖レーンと開口部の蓋になる穴付きの板は0.5厚プラ板で作成。
 開口部のガードになる盛り部分は1.5厚プラ板で作成しました。
 先に盛り部分を作って、少し大きめに作った穴付きの蓋を盛り部分に接着してから形を整えるのがミソ。

 上の写真とセットです。
 錨鎖の艦内への導入部です。
 まだキャプスタンは付いていませんがほぼほぼ完成。

 写真の甲板の裏側には錨鎖を揚錨機構まで導入するパイプが付いています。この付近の船体幅は狭くて、直下に揚錨機構を置けなかったために、延々と錨鎖をパイプで誘導する必要ができてしまいました。

 木甲板作りは根気との勝負です。
 やっと全ての木甲板張りが終わったのですが、苦労する分、見栄えは最高です。

 けど、これもやっぱり遠目には判らないので、あくまでも模型としての観賞用ですが。

 まだターンテーブル等は付いていませんが飛行機甲板の全体像です。
 ここも左右非対称なので、よくよく形を確認しながら上部構造の土台の形と合うように気をつけて切りだします。
 材質は質感を出すために1.5mm厚のプラ板を使用。
 表面はリノニウム塗りなので抑え板を等間隔でまっすぐになるよう貼り付けます。

 舷外電路はプラ角棒を貼り付け、釣り糸を縫い込むようにして固定具を再現しています。

 丸窓は直径2mmのピンバイスで船体を貫通しないように穴を空けて、プラパイプで庇を作ることでそれらしくしています。

 意外と大変なのが丸窓を埋めた後の蓋で、プラ丸棒を厚さ0.5mmにして貼り付けています。当然、こんなに薄く切りだすことはできないので、船体に貼り付けてから0.5mmまで削るのですが、これが一苦労。狭いところでは傍にある舷外電路まで削ってしまいそうで、無理な態勢でひたすら頑張ったものだから、その後は腰が痛いのなんの。

 塗装が完了した艦首甲板部分です。
 木甲板はタミヤのデッキタンをベースに少しだけ茶を混ぜた色を作り、3種類の色で塗り分けています。
 オリジナルのデッキタンが6割、
 デッキタンに程近い色が3割
 少しだけ茶が強い色が1割
ぐらいでしょうか。

 甲板上のベンチレータは全て強度補強のため、真鍮等の軸を甲板を貫通する穴に挿しつけています。

 製作中の飛行機甲板の様子です。
 艦載機を移動させる軌条は艦艇図面集を参考に近い形状となるように製作しました。
 原形となるH型材の片方を加工してT字型にし、下側にはアーチ型の切れ込みを入れています。
 また、0.5mm真鍮を瞬間接着剤で軌条に固定し、甲板の穴に差し込んで固定しています。(軌条の塗装後には接着剤も使って、完全に固定します。)

 塗装色はダークコッパー。光り具合といい、色合いといいリノニウムの感じが良く出ていて気に入っています。

 第三主砲塔右舷側の甲板の様子。
 甲板上至るところに生えているキノコの他にも目的不明な艤装品が沢山並んでいます。
 小型のウィンチ等、まだ手つかずの装備品もありますが、こちらもこれで8割以上は完了でしょうか。

 手摺りの支柱は太さ0.5mmの絹縫い針を使用して作ります。
 これは愛宕製作時にも使った方法ですが、非常に頑丈ですし、糸を通す穴もあるので手摺りも頑丈に作れます。

 針は12本セットでお裁縫屋さんで購入しますが、艦首甲板だけでもざっと100本は必要です。艦全体では実に1000本近い数になります。
 このため私が針を購入に行くと、そのお店の絹縫い針は全て買い占められてしまうことになります。
 お店の人も「なんだこいつは・・・」と怪訝そうな顔しますが、そんなこと気にしてたら模型なんて作れないよ。