船体は今回もプラ板による張り合わせを選択しました。
 基本構造はキールになるステンレスフレームを船底となるプラ板の上に固定。そこにフレームを固定して外形を整えて、細切りのプラ板を張り合わせて船体の形を作ります。

 金剛型の船体は長船首楼型と呼ばれるものです。
 これは商船などで見られる船首楼(船首の部分が甲板より一段高くなっているもの)を船体の後ろの方まで伸ばしたもので、本当の甲板は4番主砲付近の甲板になります。従ってそこが上甲板(2甲板)、その上は最上甲板(1甲板)と呼ぶのでしょうか。
 上甲板には側面副砲が並んでいますので、船体の作成では上甲板までとし、そこから上は船体の上に載せる形で作ります。

 キールの据え付け開始。

 作成方法は重巡『愛宕』と同様です。7mm角のステンレスのコの字フレームを使用。
 計算は適当ですが、長さは77cm程。
 全長では110cm程度になりますが、戦艦とはいえ旧式艦の類ですので愛宕クラスの重巡と大差ありません。
 船底の底板にキールを固定。
 底板は1mm厚のプラ板を使用しましたが、大きいので前後2分割になっています。

 横幅は流石に戦艦。流麗な巡洋艦等と違い、これだけでも重厚な船体のイメージが沸いてきます。

 因みに手前が船尾側です。

 フレームは1mmプラ板を2枚貼り合わせて作ります。

 愛宕を製作した時は1mmプラ板1枚で作っていったのですが強度が低くて、外板を貼っている最中もフレームがグニャグニャするため船体がどうしても若干歪になってしまいました。
 また、船体が完成した後も強度に心配がありました。

 榛名は戦艦ですので、全長は愛宕と大差ないとは言っても容積は比べ物になりません。
 できるだけ頑丈に作っておかないと!

 艦首部のパーツはプラ板で中心線を作り、その周りにエポキシパテを固めて作る方法にしました。

 この部分は、愛宕製作時は船体と同様に外板を貼り合わせて内側をエポキシパテで埋めましたが、先に着手したビスマルクに倣って一体物とします。

 金剛型の船首は直立型です。
 このあたり、正に第一次大戦時代の設計の名残でしょうか。長門型では既に傾斜の付いたクリッパー型に近い形状になっています。

 フレームの上部を1mmプラ板で繋げていきます。
 これも愛宕製作時の学習効果ですが、先に外板を貼ってしまうと甲板面がデコボコになってしまいますので、甲板の水平面を先に取ろうという策です。
 また、製作途中での強度補強と、全体的なプロポーションを整えるのにも効果的だと思います。

 フレーム連結部の下には、梁として三角形のプラ板で支えを設けています。
 キールの上には船体内部の床板を張りました。
 多少、艦内容積が減ってしまいますが、艦内にキールが露出していた構造の愛宕でも内部機器の積み込みには船底のデコボコを避ける必要があるため、結局はこの部分は使えず、後から床板を張ることになりました。
 今回の製作では、最初からそれを見込みました。
 キールを挟むように設置した床板の補強梁が見えます。

 骨組みが完成した艦首、中央、艦尾の3ブロック。

 後で船体の全長を調整するため、骨組みは複数に分割して作ることにしました。
 全てのブロックを繋げると1mを超えるため、作り易さから言ってもこの方が便利なので。

 複雑な構造の艦尾ブロックの骨組みです。
 この部分は舵やスクリューがセットされたり、中央のスケグがあったりと、船体ブロックでは一番複雑な形状になっています。

 船尾ブロック骨組みをアップで見るとこんな構造になっています。

 舵機構を設置する上1段目は、この後に薄いプラ板で2段目と緩やかに繋げることにします。

 甲板のラインをまっすぐ水平にするために、フレームの上部を接続した板の上に更に1.0mmプラ板を貼ります。
 船体を逆さまにしてプラ板の上で船体外周のラインを取り、そのラインより内側に8mm、外側に5mmの線でプラ板を切り取ります。

 外側に5mm余計にとっているのは、これ以降に貼る外板の上部のラインを揃えるため。

 甲板上面のラインが整ったら外板の貼り付けを開始。
 0.5mmプラ板を5mm幅で切り取って上の方から一枚一枚張り付けていきます。
 0.5mmプラ板はペラペラなので、必ずフレームの上に外板の切れ目がくるように長さを調節しながら貼り付けていきます。
 

 外板2層目の貼り付け。
 1層目外板と2層目外板の板の上下の面がずれるように、2層目一番上の外板は幅8mmにしています。

 2層目以降は外板用板を貼るラインをフレームとは無関係に(できるだけ長い板になるように)取ります。
 そうすることで1層目の貼り合わせのラインを2層目で完全に覆ってしまいます。

 外板3層目。
 写真は船底の状態です。

 2層目までによってハルの厚さは船底に貼った1.0mmプラ板の高さに合っていますので、3層目からは船底の板の上にも外板を貼っていきます。
 これで底板との継ぎ目を外板で覆ってしまいます。

 外板4層目を貼り終えた状態で、全体を180番くらいのペーパーで軽く整えて艦尾部の形を作ります。

 その後は内部からプラ板で蓋をして、隙間はエポキシパテで形を作ります。

 艦首部分は基本、エポキシパテで形を作るのですが、全部をエポキシパテで埋めてしまうとパテの量が半端じゃないですし、重量が嵩みます。
 そこで、内部に適当に空気室を作り、パテで外形を作ります。艦尾部分も同様。

 それでも艦首部分だけでパテを100g、艦尾部分で75gも使用しました。

 第1次改装で追加された装甲板と第2次改装で追加されたバルジを製作します。
 装甲板は1mmプラ板を2枚貼り合わせて2mm厚で再現します。

 先に5mm幅で切り取った1mmプラ板を2層に貼り合わせておいて、後から船体に先端を合わせて貼り付けます。
 装甲板の前方と後方は徐々に薄くなって船体との段差を減らして水の抵抗が少ないようになっていたので、そこは後から装甲板を紙やすりで削ることにします。

 紙やすりで懸命に削って、船体との段差を減らして完成した装甲板。

 上方は1mm厚プラ板を先に2枚貼り合わせてから船体に貼り付けていましたが、それだと船体のカーブがキツイと曲げが厳しいので下方は1枚づつ船体に貼ることにしました。

 装甲板の上にバルジを追加。

 再度、紙やすりで表面を整えた後、全体にサーフェイサーを筆塗りします。そうすることによって外板合わせ目の隙間がクッキリと現れますので、パテを厚めに盛って穴埋めします。

 しっかり乾燥したら、パテとサーフェイサーを180番と300番くらいの荒い紙やすりで落とした後、最後はスプレー式のサーフェイサーを吹きつけて、も一回乾燥。
 仕上げは600番と1000番の紙やすりで表面を磨いて、遂に『ハルハル・ハル』完成。

 同一スケールの愛宕との大きさの比較。
 実艦長さにして20m、1/200で約10cmの差ですが、幅が倍近くあるので艦内容積は比較になりません。
 愛宕は重量軽減に苦慮しましたが、やっぱりラジコンとして戦艦は楽です。