300km走行を目指せ!
2008.5.3



利根川土手にて
天候も回復し、涼風が吹いています。
思えば遠い所まできたものです。





昨年秋、250km走行を果たし1日の走行距離レコードを樹立した俺たちですが、
今回はその記録を破り且つ300km走行することをめざした計画を立てました。


まずは、当初の予定から。
各自AM4時出発
 
AM5時 多摩サイ 登戸近辺の水門前の広場 もしくは 二子玉川 田園都市線の橋の近辺 集合(多摩川右岸です)
 AM5時に携帯で連絡を取り合います。
 
多摩サイを上流へ
 
AM7時 羽村取水堰着
 
箱根ヶ崎〜R16〜入間川CR終点着 AM8時30分  (入間川CRに行く途中のコンビニ等で弁当を食べます)
 
8時30分 入間川CR出発
 
11時 戸田公園着 お勧めの中華屋などで食事
 
11時30分 戸田公園発〜
 
13時葛西臨海公園着〜
 
16時関宿城着 ここまでで 210kmを走行していますので後は、どこで輪行して帰るかです。
 
利根川CRの右岸を下り野田から輪行するか(走行距離250km)
              取手からりんこうするか(走行距離270km)
              佐倉で輪行するか(走行距離310km)
はその時の状況としましょう。


ところが、坂やんがかねてからの虫歯が痛み、抜歯してしまったのです。
天候も雨のち曇りの予報だった為、隊長より中止のメールが入ります。
了解しました。
「春の300kmツーリング」は中止とし、あくまでも個人ツーリングとして300kmをめざす
こととしました。








AM4時15分スタート
4時30分過ぎに明るくなってき、
多摩サイでは、御覧のような青い世界でした。
誰もいない多摩サイも乙なものです。





実際のコース


AM4時15分  出発
AM6時15分  多摩サイ〜羽村取水堰〜          (45km)
AM7時15分  入間川CR入口〜荒川CR〜戸田公園〜 (65km)
(戸田公園 にて補給) 
AM11時30分 葛西臨海公園〜江戸川CR〜        (30km)
PM13時15分 野田橋着 (昼食)〜             (40km)
江戸川CRを離れ利根川CRをめざす。            (10km)
利根川CR〜印旛沼導水路取水口〜             (45km)
印旛沼CR〜新川CR〜東葉勝田台(輪行)         (45km) 

東葉勝田台着: 18時40分

トータル所要時間: 14時間25分
走行時間: 12時間50分
平均速度: 21.8km/h
走行距離: 280km
天候: 13時頃まで雨 13時頃より曇り 15時頃より晴れ
雨の状況:小雨 時々本降り
風: AM7時頃より北東の風やや強く
   PM1時頃より東の風やや強く




AM3時30分起床!
カップラーメンを食べながら、昨日から降っている雨を観察する。
予報によると午後から曇り。
今回の場合、午後までに8時間もあるので、雨のツーリングか。
幸い、雨脚は弱い。
昨日、坂やんにも話したが、長距離ツーリングは雨模様の方が疲れないので
成功する確率が高くなる。晴れていると、日焼けと大量の汗で体力が消耗されやすいからだ。

装備のことやらなんやらでグズグズしていると4時を過ぎちゃったじゃないですか。
慌てて出発。

真っ暗の中をスタートするが、新聞屋の前を通ると既に配達の準備中で照明がまぶしいくらいです。
昔を思い出し、ちょっと元気付けられて走ります。
多摩サイに到着する前くらいから空が群青色に青みだしてきます。

そうだ!今日は最長走行記録を打ち出す日だ。
こんな雨なんかには負けられない。やったるデー。









多摩サイにて。
こんな水溜まりがそこかしこにあります。
いっこうに雨は止みません。
まだAM6時頃ですが、雨のためランナーや
ウオーキングの人とは2人くらいしかすれ違いませんね。





 「ゴールの向こうに明日が見える!?」などと諸々のマラソン大会で言われていますね。
俺たちの場合、マラソン大会に出場したことがないので何とも言えませんが、
富士登山やヒルクライムレースや160kmを越えるロングツーリングを実施している
経験からすると、
「ゴールの向こうには美味しいお酒が待っている」もしくは「達成感と大きな疲労が待っている」
くらいかな。
俺たちからするとむしろ、ゴールに至る過程で発生する様々な状況や出会いや心情がおもしろいと思うのです。
キャッチフレーズを作れば「ゴールまでの過程にドラマが待っている」「自転車ツーリングで風になろう」
くらいかな。

 「世界の道を知り尽くした「エンペラー」」は日本の道も良く知っているわい。
こんなウエットな環境でも全く問題なく走れる。この後走る利根川CRでのダートも
ランドナーだからこそ走れたのです。
思わず「ランドナー小唄」を歌いながら走っていました。


などと考えながら走っていると、羽村取水堰に到着です。
ここからCRを離れ一般道の走行となります。
そして今回の走行で一番危険なR16が待っています。

今回はできうる限り歩道を走りましたが、歩道が荒れている所はやむなく
車道を走りましたが、その時、脇をすれすれにトラックが抜いて行きました。
「こいつ、わざと幅寄せしとる! ふざけんなコノヤロー!!」
でかい国道はやはり危ない。

入間のアウトレットモールも7時前の今は静かなものでした。
しかし10台くらい、駐車場に入って行った模様です。










荒川CRにて(左)。もう田植えが終わっています。
荒川らしい、その広大な風景に感動です。
写真右は、葛西臨海公園です。
海に着いた影響か、強い雨が降っています。
時刻は11時過ぎですが、この雨の影響で数人しか
人はいませんでした。
晴れてたら人がごった返していることでしょう。





危険なR16をやっと抜け、入間川CRに突入です。
相変わらず雨が降り続いているので、CRには人がいません。(朝からあまり人を見ていません
ので、何だか人恋しい)

ところで、入間川CRを抜け荒サイを抜ければトータルで140km走行となります。
まずは、センチュリーライド(160km)を目指すべきだと思っていましたので、
この入間川CRと荒サイは一つの山場といえましょう。

入間川CRはアゲインストの風が吹いています。雨脚も強くなってくるしで心が折れそうに
なった頃、橋の下に5〜6名のツーリストが雨宿りをしている所を目撃しました。

一緒に雨宿りしようかと思いましたが、ここで休んだら1時間は休んじゃいそうだし、
下手すると、すっかりやる気を無くし戸田公園あたりから帰っちゃいかねないので
ぐっと堪えて、強まる雨の中を疾走しました。
そう言えばさっきから軽く30kmは出てるよね。
そうです、荒サイとの合流地点近くは荒川と並行して道が付けられているんです。

北東の風が吹いているので、追い風になったのです。

荒サイは、ずっと追い風だったので、ガンガン走ります。

途中の工事区間を避けるルートを走りましたが(上記写真の左)、舗装が良いので更に
スピードがでます。

補給のために、戸田公園のコンビニに寄り、即スタート。

あっという間に葛西臨海公園に到着です。

葛西臨海公園に着くと、更に雨が強くなり堪らず雨宿りです。
携帯を見ると「キョン」からTELがあった模様ですのでTELしてみると、
雨の中走っている事を半分バカにされた。頭にくるやっちゃ。

こんなことはしてられない、もう11時30分なのです。
意を決し、4本目のCRである江戸川CRに入ります。

しかし、この江戸川CRには地獄が待っていました。








海まで104kmのポスト前にて。
ここまで200kmくらい走っているから
銚子まで走れば300km達成!
意外に近いぞ銚子。

日帰りだと帰れなくなっちゃうので
銚子で一泊すればOKだね。

やっと雨も止んだので、爽快に走ろう。





まずはセンチュリーライドを達成した地点は、金町を千葉県側に渡る橋の途中でした。
今回のツーリングでは最低限160kmは走るつもりでしたので、ほっと一息です。
ところが、ここから強烈な向かい風が吹き荒れ始めます。

歯を喰いしばって走っても時速17kmくらいに低下してしまう程です。
この走りは堪えました。

既に160kmを走っていますので、通常なら走行は終了している状況のはず。
しかしながら、今回はあと100km以上走らなければならないプレッシャーが
重くのしかかってきます。「武蔵野線が走ってる。そう言えば、三郷駅が近くにある!
無理しないで輪行して帰ろうか。」    心が折れる寸前です。
足も重くてもう風に逆らって走れない。  体も疲れています。
もう、午後だというのに相変わらず、時々雨が降ってくる。   いい加減止んでくれよ。

取り敢えず、休憩を取り地図を眺めます。
昼食予定地の野田まであと10kmたらずだ。
野田まで行って、メシ食って、それからの行動について考えよう。
あと10kmなら走れるだろう。

お正月ツーリングで見慣れた風景の「利根運河」を過ぎたあたりで天候も晴れ模様の
曇りとなり、不思議と力が蘇ってきました。



昼食を取りながらこれからの行動を考えます。

@これから関宿まで行き、利根川CRを下る。・・・これ以上向かい風を走るのは精神的にも体力的にも厳しいので不可
Aショートカットしてこのまま一般道を走り、野田あたりの利根川CRへ行く。

食べ終わっても考えましたが、やはりAでしょう。
その代わり「追い風」の利根川CRを疾走し、最低でも勝田台まで行き、(計算では300kmに未達の距離)
後は走れるだけ走り300kmを達成することとしました。










利根川CRはやっぱり舗装されていない場所が案外ありました。
土手の道がなくなり、サイドにあった道を行きますが相変わらずのダートでした。






利根川CRの舗装状況は50%くらいなんでしょうか。
昨年の250kmツーリングの時も、この利根川CRの未舗装や突然なくなる道に苦しめられました。
今回も例外でなく柏市の作ったCR部分を除くと、気分的には半分くらいひどい道だった記憶しかありません。
(ロードレーサーの方々があまりいないはずです)
また、柏市が作ったCRまでの凡そ5km区間がCRがなくなり突然一般道に出されます。
2回目からは恐らくスムーズに行けると思いますが、ちょっと困りましたよ。

そして一番ショックだったのが、「追い風」の利根川CRのはずが何と向かい風ですよ。
強風ではなかったけど、そこそこ吹いています。
道は悪いは、向かい風だは、風景が広大でちっとも進んだ気がしないは、でここの
走りも目茶目茶疲れました。
関宿まわりだったら、恐らく取手あたりで輪行していたでしょう。

走行距離も既に200kmを越え、心身とも限界を超えています。
それでは利根川CRの悪路・向かい風の悪条件下で45kmもの距離を走りきった原動力は何か?

それは、前回250km走行を実現した実績ではないかと思います。

160kmと200kmの間には精神的・肉体的な苦しみがあります。
200kmと250kmの間はそのような苦痛を超越した、言ってみれば、悟りを
開いたような無の境地があります。

そんな、「無の境地」が待っていることが分かっているから、走れたともいえます。

それでは、250kmと300kmの間には何があるのでしょう?

それを探しに印旛沼CRに突入です。
もはや、佐倉から輪行する気は毛頭ありません。
目指すは300km走行でしょう。
やたらHighになっている自分がそこにいました。












印旛沼CRにて。
ここまで来ればゴールは近い。
ラッキーなことに追い風だし、午後までの
雨の影響でCRには、ほとんど人がいませんでした。
時速30km+でラストスパートです。




印旛沼CRに入ると、やたらスピードが出ます。 一皮むけたかな?
とも思いましたが、そうです、追い風になったのです。
道も整備されていますので、時速35kmくらい軽く出ちゃうのです。
天候はすっかり晴れ爽やかな風が吹いていましたので、今までの疲れは
どこへやら、風になって走ります。

いつの間にか走行距離は250kmを越え、未知の距離に入っていました。
また、印旛沼CRを抜け新川CRに入ると、新たな敵の出現に慌てます。



そうです、太陽がかなり低くなってきたのです。
疲れている中の夜間走行はかなり危険です。
事故が続いている昨今です。
絶対に日没前に輪行せねばなりません。







勝田台近くの新川CRにて。
川を渡したものは、写真では良くわかりませんが
鯉のぼりです。
ゴールを飾るハッピーな光景です。





何とか日没前に新川CRを抜けて東葉勝田台駅に向かうことができました。
若干道に迷いましたが、とうとう着きましたよ東葉勝田台!!
距離は278kmでした。(三鷹から家までの走行で280kmとなりました)
海浜幕張まで走り、ちょっとぐるっと走れば300km達成できたかもしれませんが、
そんな気は全くおこりません。
さっさと駅前で輪行して電車に乗りましたよ。おっと、しまった。缶チューハイを買うのを忘れた。
まあ、今回は1人なので、電車で酒を飲むのも何なんでちょうど良かったかもね。

電車の中では、長かった本日の行動を振り返りました。
朝4時に出発して今は19時過ぎです。
何と15時間も 活動してるんだよ。
しかも自転車のあんなに狭いサドルに乗っていた時間が13時間弱だよ。
人間って、1日にこんなにいっぱい活動できるんですね。
且つ、こんなに長時間バランスを取っていられるんですね。










そして、280km走行!
余力があれば、家の近辺を20km走っていますが
今回は全くそんな気力も体力もありません。
目いっぱいです。




250kmの先に何が待っていたか。
その日には何も待っていませんでした。
翌々日の5月5日になり来ましたよ。

そうです、強烈な膝痛がきました。

5月6日には痛くて動けなくなりました。膝の上、腿の下あたりがパンパンに腫れ膝が曲がりません。
氷で冷やしましたがほとんど効き目なし。

明日から会社が始まります。
更にレイアウト変更があるので、本人がいないとまずいのです。
翌日、朝起きると昨日以上に腫れています。
歯を食いしばり家をスタートです。
蟻のように遅い歩みです。幸いバス停が近くにありますので、何とかバス停に到着。

駅の階段も死ぬ気でクリアし何とか電車に乗れました。

乗り換え駅でも脂汗を流しながら乗り換えに成功。
駅から会社までは近いのですが、気が遠くなりながら何とか席に着席できました。

レイアウト変更は?
周りにいる心やさしい乙女達が手分けして荷物を運んでくれて無事終了。有難う!!

同じビルに病院がありますので、早速GO!

ところが、連休明けの病院です。
目茶目茶混んでいる。
1時間待たされ、やっと名前が呼ばれました。

しかし、膝が痛くて立ち上がれません。
最後の力を振り絞って診察室へ。

いつもは、医者の前に出ると変に強がり、何故か元気を装ってしまう俺たちですが
今日ばかりは崩れ落ちるように診察室の椅子に座り、先生に痛みを訴えます。


さっすが先生です。そんななか、冷静に症状を聞き、電子カルテシステムに入力しています。

また膝の腫れを見て、注射器で溜まっている水を抜く措置をとってくれました。
注射器を刺すと、黄色い液体がどんどん注射器に吸い上げられていきます。
一本目はすぐ一杯になってしまい、2本目にシリンダを交換、程なく3本目に。
今日の所は、この辺で許したろとばかりに3本で終了。
80ccくらい抜けました。

膝の水を抜いてかなり楽になりましたが、原因は何でしょうね先生?
痛風? 膝の関節炎?
血液検査と膝から抜いた液を分析して後日判定ということに。

投薬は「ボルタレン」の座薬を指示されました。リュウマチの痛みを抑えるかなり強い
消炎鎮痛剤です。

今(5月8日)はと言えば、薬が効いているので痛くはないが腫れはひいておらず
薬が切れそうになると、痛みだすという悲惨な状況となっています。

このせいで今週の土日も自転車に乗れそうにありません。
残念です。

ここで、復習になりますが、走行距離レベル別の心情を記して締めとしたいと思います。

@160kmと200kmの間には精神的・肉体的な苦しみがあります。
A200kmと250kmの間はそのような苦痛を超越した、言ってみれば、悟りを開いた
ような無の境地があります。
B250kmと300kmの間には、肉体的な破壊が待っています。

今回の走りの結論としては

250kmを越えるような走行は慎むべきです。

あーあ、今週末もチャリの整備か・・・。つまんないの。