2002年富士登山  〜須走口単独行〜  


富士宮口頂上より剣が峰を仰ぐ・・・何か変ですね
9月2日にやっと富士登山に行けました。
今回で12回目の登山ですが、何回登っても辛いですね。増してや、今回はトレーニングゼロです。
しかし、俺たちの提唱する富士登山方法である、地下鉄の階段の歩幅で一歩一呼吸を実践(7合目以降)し、何とか登頂に成功しました。
須走口のコースタイムは6時間30分と書いてあったが、今回は6時間10分で到着しています。
上記、登山方法は歩みが遅い欠点があるが、休まず歩ける利点があります。
今回の登山もそうだが、登山時、俺たちは抜きはすれども一人も抜かれることはなかった。
どうやら、上記登山方法は富士登山にフィットした登山方法であることが実証されたようです。

皆さん、「地下鉄の階段の歩幅で一歩一呼吸」登山で富士山に登りませんか?!!


須走口新5合目からおよそ20分登った所にご覧のように展望が開けた所があります。基本的に本5合目を過ぎるまで樹林の中の登山で視界ゼロですので、この場所は皆さん押さえておきましょう。
この日は、深夜は満天の星空に下弦の月がひときは輝いていました。ご来光もこの通り。素晴らしいでしょ。
ところで富士山は火山灰が積み重なった灰色もしくは黒い山と思われていますが、これは必ずしも正しくありません。
朝日を浴びてより赤くなっていますが、富士山の東面は赤い岩が多く全体的に赤いのです。
富士山の南面は濃い灰色です。西側、北側とも灰色ですが山の状況が特徴的です。
北側は円錐形の富士山らしい富士山です。西側は最高峰の剣が峰直下から大沢崩れがあり、かなり侵食が進んでいます。(下記写真参照)


須走口でツライのが6合目から本7合目の登りでしょう。
傾斜は急になるし岩場も多くなり更に気圧もかなり低くなります。
身体的にも登山開始から2時間を越え、意図的な動きをしない限り、血中の糖や肝臓に蓄えられたグリコーゲンを使い果たしてしまう時期です。
ここで、脂肪を使う動き(Walkingと同様の身体運動)をしていれば、補給なしでもっと行動でき、バテルことはないのですが、富士登山の素人は、この入りの2時間で失敗してバテテしまいます。
ですから、登山開始の2時間は努めてゆっくり歩くのがポイントです。
さらに、糖類の補給はこの後の行動を考えると絶対必要です。しかも、体力を使い果たす前の補給は必須です。
そこで、俺たちお勧めの補給物資をご紹介しましょう。(経験則上の話ですので、他の物がもっと良い可能性はあります)
水分補給の水は「タケダのC1000 100」で、行動食は「ウイダーインゼリー」が良いと思います。
この2つの補給物資が、事前の訓練もなかった俺たちが無事に登山に成功した要因の一つだと思います。
上の看板は今年できたと思いますが、何か嬉しい看板でした。
目の前にずっと見えている小屋に歩いても歩いても近づけない、焦り、不安、絶望を払拭してくれる看板です。人間、先が見えると頑張れるものですね。


富士山西面の風景です。西側は一般的に雲が発生しやすく、俺たちも12回登ったうちまともに風景が見えたのは今回で2度目です。ですから貴重な写真と言えます。

写真左が剣が峰直下から崩れている大沢崩れです。なかなか実感を伝えるのは難しいですが、この大規模な崩壊が高度差で1700mくらい続いているので、近づくと足がすくんでしまいました。

写真右が本栖湖です。その奥の山脈は恐らく南アルプス(赤石山脈)です。

富士山の最高峰である剣が峰には、富士山測候所があります。今はありませんが、昨年までは白いレーダードームがこの建物の上に設置されていました。(21世紀の富士登山参照)
まだ、測候所の人はいるらしく、ご覧のように本日の天候が記載されていました。
しかし、この測候所の設備が全て撤去されると、上記写真の「大沢崩れ」が眼下にもろに見える怖い場所になってしまいますね。

河口湖口・吉田口・須走口 頂上の小屋群です。夏休み中は都会のような賑わいをみせる場所ですが、夏休みが終わっている本日は、頂上小屋は全て営業を終了していました。

須走口で営業していた山小屋は7合目の太陽館、本7合目の見晴館でした。
8合目の江戸屋は閉まっていましたので、夏休み中の感覚で登ると水・食料が入手できずエライコトになりかねません。ご注意を。
   
燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽で気温は20度を超えています。
富士山の場合、昼間は20度夜は2度とかなりの温度差があります。(ですから、夜間登山は気をつけましょう)
写真は、須走口の砂走で撮影したものですが、2人しか下山者がおらず静かな山歩きが楽しめました。
富士山の単独行は17年ぶりでちょっと不安でしたが、自己の鍛錬という意味で意義深いものと思いました。

「富士山は観る山で登る山ではない」とか、「富士山に登っても疲れるだけだし、ごろごろした岩だらけの山で単調な登り・下りしかなくて面白くない」などという人がいますが、とんでもないですよ。
俺たちは今回で12回目の富士登山だが、一度として同じ状況がなく、毎回新鮮な感動をしている。
来年こそ、富士山に登ろうよ!!