妙高型の船体は基本的に高雄型と同一ですが、バルジの付き方等が少し異なります。
 そこで、愛宕を作った時の線図をベースにフレームからバルジ部分を抜き、船体完成後にバルジと装甲板を追加する手順で作ることにしました。
 また、愛宕製作時は船体のプラ板は1層で、あとはエポキシパテでペタペタと船体を作りましたが(まるで粘土細工みたいに)強度が低く重量も嵩んだため、榛名で成功したようなプラ板の多層貼りで制作します。

 船体の作成方法は榛名と同様。キールにはステンレスの5mm角棒を使用しました。
 本当はコの字フレームにして軽量化するつもりでしたが、たまたま日曜大工センターでコの字フレームが売り切れていたので「これでも良いか」と角棒で作ることにしたものです。
 ちょっと重いかなーと思っていましたが、出来てみると丁度いいバラストになりそうです。
 
 3層目まで貼ったところで目止めのために全体にサーフェイサーを塗ります。
 今回、船体には0.3mm厚のプラ板を使用。(榛名は0.5mmを4層)
 これを1層目は5mm幅、2層目と3層目は6mm幅で短冊状に切って使用しました。

 この後、サーフェイサーを全て削り落すくらいに全体にヤスリがけをして、4層目以降を貼ります。

 4層目貼り中の写真です。
 外板に使用したプラ板が薄いため、船体全体的にフレームがない部分が若干へこんでいますので、へこみが激しい部分は3層目の上にエポパテで少し盛った上に4層目を貼りました。

 この時点までで外板の厚みは1mmを超えていますので、それでも残った凹凸は台木に紙やすりを巻きつけて平らになるように削り落しました。

 最終的には全体にサーフェーサーをスプレーして表面を整えます。


 今回は最初からスクリューの導入部分をプラパイプで確保したうえで船体を貼り合わせたため、軸に無理な力がかからないように導入することができました。

 ラジコンとして動かすため、スクリューと舵はスケール的に大きめになっていますがここで誤算が発生。
 プロペラが大きめなため船体に干渉してしまいました。このため、プロペラのある部分の船体を若干削り込むことになりました。

 足回りの内部構造です。写真左手がわが艦尾です。
 モーターはタミヤの遊星ウォームギアセットを使用(ノイズ対策はまだ)。モーター一つで4軸を回すためのギアは手作りです。スクリュー軸との連結はユニバーサルジョイントを使用。
 艦尾側には防水用の壁を設けていますが、この部分は前後を壁で囲んで排水ポンプを設置します。

 余談ですが、ユニバーサルジョイントはどこも製造中止とのことです。次回からはこれも自作しないといけないかもしれません。

 スカッツル(丸窓)のひさしは内径2mm、肉厚0.5mmのプラパイプで作成します。少し厚めにプラパイプを切り取って接着してから最後にヤスリで薄くするのがコツ。
 上部構造のスカッツルは窓に当たる穴を完全にくり抜きますが、船体の場合は完全に穴にならない程度で止めています。

 戦時中、多くの船では船体部分のスカッツルは被害軽減策として埋められてしまいましたが、妙高型の場合はかなりのスカッツルがそのままだったようです。
 おかげで作る手間が半端ないです。

 甲板は厚さ1mmのプラ板を2枚貼り合わせて作ります。
 艦首部分の甲板はシアー(艦首に向かって高くなっているソリ)がありますが、プラ板の張り合わせ時を利用して作ります。

 最初は舷側から甲板がはみ出すように作っておいて、最後にはみ出し部分をカットしました。