高雄型重巡の特徴である、まさにお城のような艦橋の制作に着手しました。
 それにしても、何で日本の軍艦はこんなにも面取りがややこしいのか? 下から徐々に組み上げていくことにしましたが、資料を見ても、どこのラインとどこのラインがつながっているのか簡単にはわかりません。
 まるで、四次元パズルのような・・・。
 まずは、ここまでで一休み。

 艦橋基部後ろ側の面が二重になっているのは、一旦作った後、なんか前後方向の長さが足りないような気がしたので、後から付け足したためです。(内側の板は後で取っちゃいますけど。)
 ペタペタとプラ版を張り合わせて艦橋の外形を作っていきます。
 お得意の羅針艦橋内部作成を念頭に作っています。

 測的所はすでに窓ガラスまで製作済です。

 実はここまで作るにも、かなり改造を繰り返しています。最初は幅が太すぎたので、右舷側と左舷側を切り離して幅詰めしたり、高くなりすぎたので、羅針艦橋の下を詰めたりと・・・。

 艦全体の印象の中心になる部分なので、そのプロポーションには気を使います。
 お得意の羅針艦橋内部の制作。
 左舷前寄りにチャートデスクを配置しました。そして中央後方よりに打ち合わせ用のデスクを配置。
 前方中央に羅針盤を置き、その両サイドに双眼鏡を設置。(実艦はだいたい、こんな感じでしょうか? ・・・資料が無いので通常の船の配置を参考にしました。)
 羅針艦橋上の防空指揮所。

 双眼鏡は羅針艦橋の物も含めて不二美術模型より購入。

 羅針艦橋もそうですが、遮風板を付けるとガゼン艦橋らしくなってきます。
 艦橋の主な艤装品の取り付けが完了した状態です。

 塗装を行う前の段階ですので、後の塗装後の写真と比較して頂けると、面白いかと思います。
 右の写真が、塗装完了後の状態です。

 舷灯は緑色と赤色の角型LEDを直接使用。(大きさがちょうどピッタリだったので)

 浮輪は、他の1/200スケールの模型より流用しました。

 91式高射指揮装置の下には、非常用の消化ホースを付けてみました。
 少し、色が明るすぎたかもしれませんが、模型としてはかえってアクセントになって綺麗かもしれません。
 左は艦橋トップ。写真の左から(艦橋の後方から)14式6メートル測距儀とその下の2号2型電波探信儀。
 写真右手の主砲14式方位盤照準装置です。

 14式6メートル測距儀はベープ蚊取りリキッドの替え芯のキャップを使っています。
 主砲方位照準装置はリップスティックのキャップを流量。

 2号2型電探は他の模型からの流用です。
 左の写真は羅針艦橋の上に位置する防空指揮所の様子です。

 双眼鏡と遮風板の様子がよくわかります。
 遮風板の役割は艦の進行速度によって下から上への風の流れを作ることで、一種の風による風のカーテンを作るもので、前方からの強風を防ぐ事ができます。
 これは現代の海上自衛隊の護衛艦でも使用されており、その効果のほどは体験航海などでも実感できます。

 防空指揮所の後方は測的所です。
 艦橋の中断に設置されている(前方より)91式高射指揮装置、92式110cm探照灯、94式4.5メートル測距儀です。

 高射指揮装置と探照灯は別の模型からの流用ですが、測距儀は自作です。
 羅針艦橋の一段下に設置された14式1.5メートル測距儀です。

 この測距儀はボールペンの先っちょを切り取って使用しました。
(塗装してしまうと、元が何だかわからないでしょ)
 艦橋基部の巨大なベンチレーター(給気口)と消化ホースのアップ。

 ベンチレーターの部分は市販の網目パーツを使用、なぜか私のお気に入りの部分の一つです。
 艦橋を後方より見下ろすとこんな状態。

 上段の踊り場から、中段、下段踊り場への階段と繋がっていますが、上段踊り場はところ狭しと双眼鏡が設置されています。
 メインマストです。

 マストは軽量化のために、出来るだけプラスチックで作成することにしました。

 本当は強度アップのために金属を多用したいところですが、戦艦などと違って、巡洋艦などの艦種ではどうしてもトップヘビーになりがちですので我慢。

 そこで、強度向上策として接続部などには白金線などを仕込むことにしました。
 塗装前のメインマスト。
 マスト最上部の2号1型レーダーは購入品なのですが、上手く加工できないで、少しひしゃげて仕舞いました。

 まるで『万歳』をしているような形は独特ですが、出来上がるとなかなか見栄えの良い形だと思います。
 メインマストは写真のように艦橋の後方に固定しました。
 万歳型支柱には、0.5mmの穴をピンバイスで開けておき、ミシン糸を通して瞬間接着剤で固定します。
 同様に支柱の両端と中心部には0.5mm真鍮を通して、空中線を引っ掛けるフックを作ってあります。

 マスト後方の1号3型レーダーは自作しましたが、・・・少し手抜きです。
 マスト中段のお部屋は、上から電探室、同じく電探室、待機室だそうです。
 信号旗用の索は、ブリッジ後方の下段踊り場に固定します。
 艦橋とメインマストの接続はこんな感じです。前方の支柱はブリッジの中段踊り場にめり込んでいます。

 電探室や待機室周りの手摺は例によって縫い針を使用しています。(この時点で縫い針の使用本数が120本を超えました)

 マスト後方に飛び出しているBOXは信号員待機所だそうですが、やけに狭苦しそうな部屋になってしまいました。
 けど、これ以上大きくすると煙突に干渉してしまいます。