第14回ツールド草津に参戦
2009.4.18-19




今年は本当に暖かく、雪も少ないし
何より強い日差しで白根山頂も暖か
かった。最高のレースでしたよ。




今年も、ツールド草津に参戦してきましたよ。
今年は、その対策ツーリングに力を入れて特訓を実施してきましたが、さてその結果は?


コース:1日目  東京駅丸の内側集合(自走)AM6時50分〜貸切バス〜三好PA〜
伊香保渋川IC〜田吾作ドライブイン〜草津温泉

2日目  ツールド草津大会〜貸し切りバス〜東京駅丸の内側(解散)


今回は集合場所の東京駅まで自宅から自走しましたが、休日の都心は本当に気持ちが良かった。
道は空いているし、静かだし四谷を過ぎる辺りからは、道は広いし、舗装は良いし
下り基調の道でスピードは出るはで楽しいツーリングができました。

マラソンブームなのでしょうか、皇居を周る道はまだ6時だというのに沢山の人が
既に走っていました。

よし! 今回もツールド草津 頑張ったるでー!







楽しいバスの旅もあっと言う間に過ぎ去り、草津に到着です。
今回の女性陣はぐっと減り、レース参加者はゼロ、
温泉&ランニングで参加された2人のみとなりました。
(しかし、ここだけの話、質は上がった!?)

写真右は700℃がいつもやってる、静止乗りです。
信号待ちなどの時にいつもやってます。
メリットは?
ガキのヒーローになれる事くらいじゃない。




昨年からツールド草津に参加していますが、俺たちの企画で行けば、東京駅から草津までの往復を貸切バスで行け
且つ、2食付き、2時間飲み放題、カラオケ歌い放題で、行き帰りのバスでの飲食費を含めて
何と1万円ポッキリですよ。
朝7時東京駅出発と早いのですが、何とバスに乗った瞬間から宴会開始ですよ。
誠に楽しい一時を送れます。
仲間だけのバス旅行なんて、なかなかできないよ。
他人の迷惑を考える必要がないのでバスの中で大騒ぎだもんね。
(運転手さん、騒いですみません)

ともすると、輪行して帰る時に酒などを飲み、電車の中で騒いじゃって
皆さんにご迷惑をかけがちな俺たちです。
ある時などは、東武線で良い調子で騒いでいたら、勇気ある青年に怒られた。
(いい大人が騒いですみません。君の勇気は称賛に値しますよ!)

ただでさえバス好きな俺たちです。
この自転車レースに行く為の往復のバスの旅は、十分それだけで楽しんでいる
俺たちです。

俺たちの場合は、バスが好きなので寝ることはまずありません。
大学のシーズン体育の為に尾瀬まで乗ったバスやコンテストに入賞して行った北海道バス旅行
等などは、バスガイドも付き俺たちとしては至福の時です。
先ほども言いましたが、バスではまず寝ませんので、バスガイドの話は基本的には
全部聞いたり、質問等をしています。
その為に、座席はバスガイドと話ができる程度の前列に陣取っています。









700℃の撮影した写真を拝借です。
昼食を摂ったラーメン屋のおやじですが
こんな気が効いたTシャツを着てたんですね。




草津には昼ごろ到着します。
東京から4時間もかかりますが、飲みながら騒ぎながらの車中ですので
むしろ短いくらいに感じます。
昼食を食べないと夜の宴会まで持ちませんので、昨年も行ったラーメン屋に行きます。

そう言えば、昨年は辛みそラーメンを食べて、その辛さに後悔したっけ。
今年は通常のラーメンを食べたのですが、美味いんじゃない。この店。







さて、温泉での楽しい一夜はあっという間に過ぎ
早くもレース当日です。
今年は、2000人以上も参加したらしく
集合場である天狗山の広場も満員でした。





集合場所の天狗山レストハウス前の広場に着いてビックリです。
人・人・人です。
「何でこんなに苦しいヒルクライムレースにこんなに人が集まるのかね。」
と、普通の人は考えるでしょう。
何と今年は2000人をオーバーする人がエントリーしたそうな。
それでは、2000人もの人が集まるこのレースの魅力は何なんでしょう。

それは、レース後に飛び回ったITエンペラー隊内のメールのやりとりを
ご紹介することで、その回答としましょう。


「目標としていた1時間切りを達成することができました。
「58分54秒」という記録が張り出されているのを見ると、学生時代の陸上を思い出しましたね。
試合で走った後、すぐに記録が張り出されて、自己記録が出たりすると大喜びしたものです。
今回、実際に白根山コースを走ってみて、記録を上げるための練習方法が分かりました。
来年は更なる記録アップを目指しますよ!」


「いや〜 ホント!楽しかったですね〜!
思えば、、この “ツール・ド・草津” ってイベントは
行く数週間前から盛り上がり、レース前日の宿でまた盛り上がり、
レース当日でまたまた盛り上がり!レース終了後に更に盛り上がる!!
実になが〜く楽しめるイベントと改めて思います。」


「参加された我が隊全員が青春ドラマを演じましたね。
歳を重ねても青春はあるのです。
過去の話では無いのです。
思いもよらない結末が更に面白くて素晴らしい作品に仕上げました。
涙、笑い、無念、辛さ、悔しさ、失望、喜び、満足、達成、希望。
各々がこの草津で何かを学び取ったと思います。」


当日までの本当に走れるのかいなという不安。
土曜日に地獄谷までのぼってしまい、絶対もう倍は走れないという不安。
スタート前のあの緊張感と高揚感。
登っているときの心臓がバクバクする苦しさ。
女性にいとも簡単に抜かれてゆく悔しさ。
 
それらすべてが、ゴールした瞬間に喜びと達成感に満たされたのです。
これはすばらしい。
しかも、天気も景色も戦友も最高!!!
 
昨年の観戦者から、プレーヤーになった違いを非常に感じました。
阿波踊りではないけれど絶対参加に意義を感じました。
 来年もぜひ参加させていただきますし、トレーニングの目標ができました。」







白根山レストハウス前の広場にて。
今回も皆無事に完走できました。
昨年に比べて雪が少なかったし
快晴で無風でしたので、暖かかった。




今年の草津は、はっきり言って記録を狙っていました。
その為に、苦しい特訓を繰り返してきたのです。

また、昨年走った薄い記憶と、カシミールで作成した傾斜のシミュレーションシートやコースレイアウト
をベースとしてコースマネジメントを研究してました。

武蔵五日市の初後亭で3回くらい特訓後に検討会を開き、万全と思われる
作戦を立てました。

その作戦とは、「殺生河原までは、ほぼ全力で走り、それから先は何とか
根性で走り切る」ということでした。
他の作戦も考えられましたが、今回はこれで行くことに決定しました。

そして、最後の秘策は「前日の宴会で飲み過ぎず、できるだけ早く寝る」という
至極単純にして当たり前の行動を実行することとしました。

そして、草津に行くバスの中で今回のレースのキャッチフレーズを作りました。
「今回の草津では、昼に勝ち、夜に勝ち、レースに勝つ!」

その心は
「昼に勝ち」=草津までのバスでの飲み及びスピーチに勝つ!
「夜に勝ち」=ホテルでの宴会及びその後の大貧民等のゲームに勝つ!
「レースに勝つ」=ツールド草津レースに勝つとは己に克つことです。
           レースで全力を出せればOKでしょう。







また、この風景をレース後の充足の心で見ることが
できて嬉しい限りです。
いやいや、良い所ですよここは。




さて、レースです。
計測が開始されるのは、草津の街を一回りして天狗山に戻り、しばらく行った所にあるポイント
からです。
スタートは速くしなければなりませんので、助走を付けてスタートです。
プレッシャーはあまりなかったけど、己に負けたくないという精神がフツフツと湧いていました。

しかし、ちょっと走っただけで足が重いのです。
昨日の酒が残ってる?

いやいや、そんなのカンケーネー。
とにかく、この傾斜が緩い内にタイムを稼がねば。
これは、行けるかもしれないーー。
と、思っていましたが、だんだん足の動きが鈍くなってきます。
ふと気付くと700℃に抜かれ、山岳王(予)にも抜かれ、しまいには
流れに着いて行けなくなってきました。
でもまだ、平均時速は13km/hを上回っています。

やっと殺生河原を過ぎ、後半戦ですよ。
給水ポイントで給水し、気合いを再度入れます。
何か傾斜も緩いし、行けそうでしたが依然として足が重い!
そうこうする内に、ちょっと傾斜がきつくなり、ますます前に進まなくなります。

「何やら硫黄の臭いが強いぞ。亜硫酸ガスを一杯吸っちゃった。
その影響で息が苦しいし、足も動かなくなってしまったな」
「そんな訳ないだろ!でも何か頭が痛いな。」
「何言ってんねん。二日酔いのせいだろ」

「一度休憩して、再出発すればもっと速く進めるかも?」
「いやいや、ここで降りて休んだら負けだ!」

「これ以上頑張っちゃうと足がつって動けなくなるぞ」
「何を言ってる!そうならない為に特訓してきたんじゃないか」

「もう、40分も走ってるけど、まだ5kmくらい残ってるぞ。
何やら腹に力が入らん。ハンガーノックかな?」

「いつまで続くんじゃい、この坂は?登りっぱなしなので
いい加減疲れてるんですけど!」

「さすがに、もう速くは漕げないよ。」
「お前! 1時間を切る為に特訓してきたんじゃないのか!」
「いやいや、俺はもう速くは漕げないよ。
だいたい、奥多摩周遊道路でのスピードはこのくらい(10km/h)
だっただろ!?
これ以上の速さで走るのは無理だ!」

残念ながら、こんな感じで心が折れて行きました。











ご覧の収容車には自転車が、後続するバスには
人が収容されます。





完全に心は折れていましたが、最後に残された意識の外の世界、言ってみれば本能が
走りを放棄することを許してくれませんでした。

「こんなに遅く走ったら、昨年の記録よりもタイムが遅いんじゃない?」
「そんなんで良いのか? 何の為の特訓だったんだ!」
「そう言ってもさー。足が動かんのだよ」

「ほら、そこの看板を見ろ!あと3kmだ!」
「何と!まだ3kmも残ってるの?」

「ほーら、あと2.5km!」
「あと2km!」
「それそれ、ラスト1km!」
「何か、かわいい娘が応援してくれてるぞ!」
「ラストスパートだ! 行けー!!」







この丘の登りが一番苦しい所でしょう。
この丘の上に冒頭の写真のような
ワインディングロードがあり
白根山頂へ至ります。



俺たちは「苦しさの向こうにこそ、本物の快楽がある」などと若い頃に言っていました。
その言葉を結婚式の披露宴で、仲人の部長がスピーチの時に皆に言ってくださいました。
その境地を分かりやすく言えば、峠をクリアした時、レースのゴール時がその瞬間じゃないでしょうか。

ゴールしてしまえば、今までの苦しい登りはクリアされてしまいます。
もう、登る必要はないし、登る所もない高みに至っています。

白根山のレストハウス前の広場では、強い日差しの中、暖かく地面に座ると
心地よさに昼寝などをしてしまいたい状況でした。
ちょっと前まで、心が折れていた自分はどこに行ってしまったのでしょう。











空は紺碧の空でした。
眩いばかりの光景が素晴らしいですよね。
こんな天候の下でしたので、短時間でしたが
顔はすっかり焼けてしまいました。




今回も皆さん無事にレースを終了する事ができました。
さて、来年はあなたがレースに参加して主人公になってください。