沢田研二のPrayについて



2011年4月28日
あの日から48日目に劇場で配布されたJulieの祈りが込められた黄色い腕輪
舞台の上で震災を経験し、その日から48日目に自分の思いをカタチにしたJulie
澤會会員とココロ会員には後日封書で発送された。

2012年3月11日発売 『3月8日の雲』


2013年3月11日発売 『Pray』


1.Pray~神の与え賜いし 
 作詞:沢田研二 / 作曲:GRACE 

2.Uncle Donald
 作詞:沢田研二 / 作曲:下山 淳

3.Fridays Voice
作詞:沢田研二 / 作曲:柴山和彦

4.Deep Love 
作詞:沢田研二 / 作曲:大山泰輝


Produced by 沢田研二
Guitar 柴山和彦
Guitar 下山淳
Keyboards 大山泰輝
Drums GRACE
Chorus 伊豆田洋之



CDジャケットのページをめくったらJulieの思いが見えてきた





Julieの音楽劇の初日に発売された雑誌ロックジェット
開演前にさっさと購入しなかったので、劇場階下の書店では在庫切れで残念、
翌日2回目の観劇のあと
地元で1日遅れでようやく手にしたピーの表紙


ロックジェットVol.51(2013年3月14日発売)
特集「ザ・タイガース再結成 瞳みのるがバンドと人生を語る」


その中に2ページにわたって佐藤睦さんが語る

沢田研二の『Pray』について

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あれから2年が過ぎようとしている。
時間の流れがあまりにはやく、目の前のことが慌ただしく、そして、世の中が混乱している気がするのは私だけだろうか。
東日本大震災のことは忘れたわけではない。
思うだけで涙がでてくるのに、私に何ができるんだろうと思いが日に日に強くなる。

テレビが時々、南相馬の様子を映す。
転がる車や壊れた建物は、二年前のあの日と同じ、時が止まったように、あの日のままだ。
でも季節だけが過ぎている。
また春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て、春が来る。
その間に選挙もあって、経済の立て直しを優先する「選択」を国民がくだした。
「復興」を望む人々の、この選択の重さを政府は受け止めて欲しい。


被災地を本当に復興させてと祈るしかない。
祈るしかない。
そういう気持ちに寄り添ってくれるアルバムが沢田研二がこの3月に発売する『Pray』だ。

多くの表現者が、この国に起こった災害について向き合った。
その結果、大事な作品が生まれたし、そうした作品が、深く傷ついた人々の心を癒すこととなった。

・・・・・・一部省略・・・・・

人間の思惑を超えて、理屈ではないところで、必要とされる表現があったということだと思う。


沢田研二は昨年の3月『3月8日の雲~カハヤケイノチ』という4曲入りの作品を出した。

震災への憤りを歌った「3月8日の雲」、
津波についた歌った「恨まないよ」、
福島第一原子力発電所の事故と、原子力発電所への決別を歌った「F.A.P.P」、
生き残ったことについて歌った「カガヤケイノチ」。

作詞は全て沢田研二になるこの作品は、私が知る限り、
「東日本震災について、はっきりと日本語にして歌った」初めてのものだと思う。


特別に意識の高い人の目線ではなく、政治的ではなく、
この国で平凡に生きている人が誰もが漠然と感じるまっとうな思いを、まっとうな言葉で、

沢田研二は歌ってくれた。

音楽もまた上質なポップスで
「3月8日の雲」では、
「ああもう」という沢田研二にしかできない表現を聴くことができる。

2013年のはじめ、粘り強くザ・タイガースの再結成のために尽力してきたことが実り、
ついに、今年の冬にそれが実現することになったと発表された。


そして、この3月、沢田研二は『Pray』という4曲入りの作品を、
やはり3月11日に発売する。

私のように祈るしかないと途方に暮れている人に寄り添おうとして。

まだ、見つからない、流されてしまった大事な人への思いを歌った「Deep Love」。

2年経って、震災への思いを無くしてはいけないと、日本人だろう?と訴える「Uncle Donald」。

原子力政策について歌った「Fridays Voice」。

そして、タイトル・ソング「Pray~神の与え賜いし」は、厳粛な讃美歌のようだ。
ここでも、「嗚呼」という、沢田研二にしか歌えない、表現が活きる。
私は希望を取り戻そうよという歌だと受け取った。

アルバム・ジャケットも
『3月8日の雲~カガヤケイノチ』の上に、黄色いリストバンドが載せられているものだ。
風化させてはいけない、そういう思いが込められている。

言葉にすると、なんだか、陳腐だけれど、他の誰でもない、
沢田研二が、
こんな作品を作ってくれることは、どれほど人々の心を支えるだろうと私は思う。

直接的な言葉は、なんとなくダサイし、気恥ずかしいし、
責任も持てないし、とだれもが思って避けるものだが、そんな使わないようにしていた言葉を、
沢田研二が
あえて選んでいるのは、本当に凄いと思う。
いつも大衆の側で歌おうとしているんだこの人は、と思う。

こんなことができるのは沢田研二だけだよって思う。
そして、ずっとそうだったなと思う。

沢田研二にはいつだって、
「こんなのカッコよく歌えるのは、ジュリーだけでしょう」と思う歌をずっと歌ってきた。

ジュリーこと沢田研二は、
そういうことをみんな分かっているのだなと思う。

人間の思惑を越えて、理屈ではないところで、必要とされる表現がある。

沢田研二の昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』と新しい作品『Pray』、

そしてザ・タイガースの復活は、そういうことなのだと思う。

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発売日前日、3月10日に手にしたJulieの思い『Pray』、
それからすぐ4日後にはJulieの音楽劇
探偵 哀しきチェイサー2 雨だれの挽歌の初日をむかえて

舞台の上で震災を経験したJulie、
私も2年前の3月11日はJulieと同じ空間で上演中にあの14時46分を経験して
その時上演していた音楽劇は「探偵~哀しきチェイサー」パート1だった


あの日を経験して以来、
お芝居の幕が開いて、そして無事に幕が下りることが当たり前とは思えなくなって
そんな思いで今年もJulieのお芝居を
初日から大千穐楽まで東京から名古屋まで行ける範囲で観劇して

チケットもないのに空を飛んでいくほどのJulieの吸引力は何なんだろう
 
言葉では表現できない素晴らしい何かを感じていることには違いないのだけれど



あと1ヶ月ちょっとで Julieの思い『Pray』を生で感じることができる

昨年、ようやく被災地にいるともを訪ねて、1年経ってもテレビで見た光景と変わらない現実、
今年に入って ようやく津波で流されたレールも復旧した駅も増えたけれど
それでも私が足を運んだ地域までは電車では行かれなくて

生まれ故郷の現実も 自分の目で確認したかったけれど
足が元気なうちに 



何にもできないけれど、Julieがくれた黄色い腕輪をして、
何かをするときに、いつも被災地を忘れずに


2013年5月22日

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