――生まれた
町
と過ごす
日々
と。――
今では、もうずいぶん昔のことだけど
僕はこの町がキライでした。
生まれてから、ずっと。
僕が生まれた町には
たくさんの家があったけれど
暮らす人たちは
いつでも なぜか忙しそうで
あんまり好きにはなれなかった。
僕が過ごした日々は
まるで見えない壁があるみたいで
思い出せないことの方が多いけど
きっと、良いことなんて少なかったんだろうって。
だから僕は、生まれた町がキライでした。
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