空色のこころ



その日、空が高く見えた。

街路樹は紅く染まり
鏡のような水に鮮やかに移されていて。

水は太陽の光をいっぱいに吸い込んで
キラキラとまぶしく輝いてた。

風が、全ての音をかき消して
こころを空色に変えてくれたよ。


そこにある景色は
まるでどこか遠い別世界のようだったけれど
頬をなでる空気はやけに自然だったから

なんだかそれが、とても不思議で。


今でも思い出せるよ。

どこまでも青く澄んだ空が
目を閉じると一面に広がっているみたいに。


だから、しばらくは
どんなに辛いことがあっても頑張っていけるって思える。

心が灰色になったなら
いつでも空をもらいに来るから。

もう少しだけやってみようって、思えるよ。